先週末のニューヨーク市場でドル円は一時159.84円まで円安が進みました。終値でも159.79円で、再び160円待ったなしとなりました。
米国指標が堅調で、FRBによる利下げが不透明なことと、日銀が保有国債の減額を次回会合以降に先送りしたことから、それまで日銀は武器を持たないことになるので、投機筋はそれだけ円売りを仕掛けやすくなりました。
もちろん160円を超えれば為替介入がなされる可能性はありますが、すでに財務省は10兆円近いドルを売っているので、介入余力が大きくないことも見透かされています。もし介入でドルを押し戻せば、そこがドルの買い場になて改めて円安が進むリスクがあります。
160円を超えればどこまで円安が進むかわからない面があり、その円安が改めて日本のインフレ圧力を高めます。実質賃金のプラス化が遠くなり、円安が国民生活を圧迫し続けることになります。日銀の「政府への配慮」が却って日銀の首を絞める形になっています。