子どもが遊びたくなる環境とは、どのような環境なのでしょうか?
前々記事の続きです。→前々記事「年齢によって求める環境が異なる」
研究の事前調査として、里山保育・野外保育活動を積極的に行っている5園において、子ども81 名の遊び活動場面の観察・写真撮影(計754 枚)を行ったところ、以下のことが分かりました。
(この研究は、東海大学 桃沢拓也さんのご研究:『保育士とこどもに対する遊び環境の「楽しさ」と「安全性」の評価実験 ~里山・野外保育におけるこどもの遊び活動と環境構成要素に関する研究~』です。今回の記事中の写真は、桃沢さんの論文中のものです。)
① 走るという行為は「平ら」よりも「でこぼこ」「斜面」等に多くみられる。
つまり、「でこぼこ」「斜面」の環境構成要素は、子どもの「走る」という行為を強く誘発していると考えられる。
<石田より>
この調査結果を受けると…
園庭にしても公園にしても、平らな地面だけでなく、
丘、いくつかの小さな丘を組合わせ、斜面など抑揚のある地面を作っていった方が、子どもの体を支える環境としては良いことが分かります。^^
② 子どもは、遊びを取り巻く環境構成要素に対して遊具性を見い出し、それらを利用する遊び活動を行っている。
<石田より>
この調査結果を受けると…
私たち大人は、子どものこうした「遊具性を見出す力」を常に頭に置き、
遊びに発展しそうな時は見守ったり、遊びに発展しそうな素材を置いておくことが大切かと思います。
遊びに発展しやすい素材は、やはり、写真の‘竹筒’のような、形はシンプルだけれど、組合わせたり転がしたりと子どもが頭や体を使って遊べるようなもの。
そして、子どもの体で扱いやすい素材がおすすめです。
例えば、板、すのこ、ロープ、布など。
③ 子どもがペーブメント(歩道)やちょっとした段差、地面、芝生等によって遊びを選択し、それらが遊び場を決定する要因となっている。
<石田より>
この調査結果を受けると…
園庭や公園は「遊具さえ置いておけばそれで良い」のではなく、
子ども自身が遊びたくなるような多様な環境を用意することが大切なのが分かります。
そして、ここで注目したいのが、ペーブメントやちょっとした段差です。
これらも、子どもにとっては重要な遊び環境なんですね。^^
そして、こうした環境で遊ぶことは、体のバランス感覚を育てるために子ども自身の内側から湧いてくる欲求だと、私は考えています。
詳しくはこちらで書いています。→ 子どもが通ってみたく・やってみたくなる場所1 , 2
ここでもやはり、こうした遊びが子どもにとって大切な活動であることを意識し、見守ることが大切かと思います。
以上3つの環境と子どもの活動について、ぜひ園庭や公園、お散歩の中で活かしてみて下さいね。^^
園庭研究所 代表 石田佳織
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