チェリまほについて語る

      

木曜深夜の時間帯に11話まで放映されている、「30歳まで童貞だと魔法使いからになれるらし

い」通称チェリまほについて語ります。

 

ちょっとふざけた題名だが、ネットで話題になっているので、公式に配信されていた第1話だけ見てみることに。主人公安達清は、女性とまともにつきあったこともなくもうすぐ30歳になろうとしている文具会社の社員である。30歳を迎えた朝、いつものように同じおにぎりを買い、いつもの道路を歩いていると身体に触れた行交う人々の心の声が聞こえてくる。そして会社の先輩から前日「30歳まで童貞だと魔法使いになっちまうんだぞ、もっと危機感を持てよ」と言われたことを思い出し、愕然とする。

 1週間後、この煩わしい事態を回避するため、ラッシュアワーを避けいつもより早く会社に到着すると、エレベーター前で同期の同僚、社内一のイケメンで成績も優秀、自身と正反対だと思っている黒澤雄一と遭遇する。エレベーターの中で、身体に触れたとき、「今日は朝から会えるなんてラッキー、また寝ぐせついている」という彼の声が聞こえてくる、このモテオブモテから好かれているラーキーな女の子はだれ?と見渡すが、結局彼の想いは自分に向けられていたことを知る。その日、先輩の仕事を本来の優しさから引き受けてしまい、一人オフィスに残って残業している安達にヘルプを申し出た黒澤。仕事を終え、オフィスを出たのは深夜。くしゃみをした安達に自分のマフラーを差し出し、首に巻いてあげる黒澤の声 「安達自己評価低すぎ、いつも一歩引いて……ほんとは優しくて、仕事は丁寧、そんなところが俺は……」が聞こえてくる。そして「頭おかしくなったなんて思ってごめん。こんなに俺のこと見てくれるやつがいるなんて、泣きそう」 と安達のモノローグが続く。

 はい、多くの民同様ここで一気にドラマの世界に引き込まれてしいました。

あとは契約解除していたTUTAYAに再契約し、数日で8話まで一気見しました。9話からリアタイで見て11話まで見終わったところで、何故このドラマがかくも大勢の人々を、国内外問わず、引き付けているのか考えてみました。コメディタッチで笑える要素満載(私的にはたこ焼きパーティの場面で後輩六角に対抗してすごい勢いでボウルをかき混ぜる黒澤が可愛い)

クールな顔の下で安達の妄想を全開させている黒澤のギャップあるキャラ、安達と黒沢を演じる赤楚衛二(この方は仮面ライダー役ではまるで別人のようでびっくり)と町田啓太という二人の役者さんのはまり具合と二人の醸し出すchemistryなどなどたくさんの魅力がありますが、やはり、理屈ぬきですっと心の中に入り込んでくる人が人を想う純粋な気持ち、切なさや不安、そしてそうした気持ちを体感として表現している数々のシーン。その一つがえいマフラーを丁寧に巻くシーンだったり、控えめ目にそっとつなぎ合わされる手だったり、布団をかけなおしてあげるシーンだったり、哀し気な表情やや不安げな瞳だったりと、こちらまでハートウォーミングな気持ちやになったり、哀しみに胸を打たれりと、気が付けば二人の感情にシンクロナイズさせられてしまうのです。

 

しかし、11話のストーリーは、日本のみならず世界中のファンが悲鳴をあげる展開となりました。 SAY SOMETHING という歌に乗せたとっても美しい動画にコメントされていた外国の方の感想に私はとっても共感しました。Kurosawa would do AVERYTHING so Adachi would be ok,even if that meant he would be unhappy. 黒澤は安達さえよければ何でもするんだ、たとえそれが自分が不幸になることを意味していても。(Deniz さんのコメント)この方の文章を読んで涙がでそうになりました。そして美しい動画を作った方、このようなコメントを寄せた方、みんな感ずるところは同じなんだと。国境を越え、ジェンダーを超えて、ピュアなラブストリーは感動を与えてくれます。

 ちょっとふざけたような題名ですが、チェリまほ、とっても素敵なドラマです。

24日.正確には25日午前1時半、世界中の民とともに安達と黒沢のハッピーエンドを

サンタさんがプレゼントしてくれるのを待ちたいと思います。

                          公認心理師、臨床心理士 YOSHIKAWA