寝たきりの人が座ることができるようになると、手を使えるようになるだけでなく、呼吸が楽になり、意識レベルも上がります。次に、ベッドから車いすに移ることができるようになると、日常生活のレベルがさらに上がります。この理論的背景を理解し臨床に応用するためには、運動制御のメカニズムを学習する必要があります。

人間は生後すぐに歩くことができません。しかし、「おすわり」ができるようになると、ほぼ同時に、「はいはい」ができるようになります。「はいはい」などの運動のリズムは、生まれる前からあります。それから、「立つ」ことができるようになります。つまり、「立つ」ことができる前に「座る」ことができ、歩くリズムは「立つ」ことができる前にできていることになります。

 理学療法士(physicaltherapist:PT)は、患者の基本動作の訓練を行います。基本動作とは生まれた赤ちゃんが成長していくのを例にとるとよく理解できます。赤ちゃんは寝たきりから、寝返りを打つ、座る、立つ、歩く、階段昇降へと成長していきます。寝たきりの患者さんにはまず座れるように訓練し、次の目標へとステップアップしていき、生活の自立を目指します。

作業療法:上肢障害に対する巧緻動作訓練
 作業療法士(Occupationaltherapist:OT)は日常生活動作、社会適応能力を身につける応用動作の訓練を行います。トイレ、入浴、着替え、整容動作などの訓練です。実際の家庭や職場での場面を想定した訓練も行います。精神的問題で社会生活が困難な患者さんや認知症の患者さんなども対象になります。応用動作には手の機能が重要で、肩・肘・手の外傷や麻痺も対象になります。

言語聴覚士(Speech,language andhearingtherapist:ST)は、構音、言語、聴覚、嚥下障害に対する訓練を行います。人は読み、書き、聞き、見て理解したことの集大成として言語を発します。言語は人間の最も高次の機能ということができます。幼少期の聴覚障害は、言語や発達に影響するので、聴力障害、発達障害にも対応します。食物を飲み込む(嚥下)能力は言語と深い関係にあります。

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