茶の味

石井克人監督作


どぅえん。このお家の娘さんは巨大な自分の幻がちょくちょく見えるのが悩み。


お兄ちゃんは失恋したばっかり。電車は多分、心の風景。

おじさん。ふらふらしてる。



おじいちゃん。元アニメーター?多分ちょっとボケてる。

お父さんは催眠療法師、お母さんは何か書いてる。多分、元アニメーター。

もう一人の遠くに住んでるおじさんは漫画家。

そんな一家のお話。お話なんだけど、変。

こちら、劇中のワンシーン。ご覧ください。特に本筋とは関係ありません。
山は生きている!山は生きている!!

っていうか本筋あんの?と言いたくなるくらいに散文的です。その割にはスーパーポップな日常家族ドラマと言いたくなる。何も起こらないという何かが起きている!一体何なの!?

なんかこう、確率が歪んでるんですよね。この映画の中ではトラブルと言うには小さすぎる、奇妙な現象が発生する確率が激しく高まってる。空間が歪んでる!

小さなコントがギュウギュウに詰め込まれたような映画で。なにかに似てるなぁと思ったらあれだ、北野武の「監督ばんざい!」

でも監督ばんざい!は北野武の壊れた自分っていうのを軸にした映画で、こっちの軸は家族の日常なのと、岸部一徳とキムタクのPCのCM撮ってた人、石井克人の作ったコントだから、笑いの質が笑えるCMの延長みたいなんだよね。笑える!というより印象に残る。


催眠療法士の父親、アニメーター復帰を志す母親(その流れで庵野監督でてくる)、恋多き中学生の長男、巨大な自分の幻覚をそこかしこで見る小学生の長女、謎の祖父、音楽関係の仕事をしてるけど田舎に帰ってきた叔父。

彼らそれぞれの日常が交差するんだけど、それらの周辺で起こる出来事が変。とても変。そもそもねぇ、催眠療法士のお義父さんって時点でかなり変なんだけどね。


一例をあげると、父親の弟さんが少女漫画家で、まあモテなさそう方なんですがアシスタントが女性だらけで。人妻らしきアシスタントが不倫してるのを知ってしまったらしいんですが、その人妻がやんわりと脅すんですよね。人妻アシスタントが漫画家先生を。明日は不倫で仕事休むけど、今度は旦那のいる自宅に電話しないでくださいね〜〜〜って。休んだアシスタントの自宅に電話するんかこの人。


そのアシスタントが漫画家の職場をでた直後にアシの自宅に電話して「あんたの奥さん不倫してるよ」ってイタ電して。すぐさま人妻アシスタントが帰ってきて漫画家をボコボコにするんですけどね。俺と付き合ってくれ!とか叫びながら椅子とかで殴られる漫画家。

そしてこれも本筋とは関係がない!!

左がおじいちゃん。右が漫画家。

本筋とは関係ないんだけど、これら本筋と関係ない色んな不思議な出来事の集合体が本編なんだろうねぇ。

ちょっと普通じゃない家族の普通の日常。
ああ、なんだったんだろう。よくわかんないけど、良かった。

そんな映画です。お茶の味みたいね、ほんとね。