わかばに問いかける。


 「どう戦いたい?」


 わかばは何も答えない。


 「どうしたら勝てる?」


 わかばは何も答えない。


 「サポートじゃなくて前線で戦いたいんだけど変かな?」


 ……………………………。



 私は5年間平均15帯をずっとキープしていた。苦手なホコなんて低い時は12帯から抜け出せない時もあった。 というか極端なことをいうとパワーも気にしていなかった。遊びだし。プロゲーマーみたいにお金や人生がかかってるわけじゃない。


 勿論勝ったら嬉しいし負けたら悔しい。ムカつく時もある。めちゃくちゃある。めちゃめちゃのくちゃくちゃにある。でも何故かやってしまうゲーム、それがスプラトゥーン。恐ろしいゲームや。



 ある日わたしは配信をするようになった。相変わらず勝ったら嬉しいし負けたら悔しい。けど、だからといって上手くなりたいという気持ちは無かった。


 ただ、他にするゲームも思い付かないからと配信を続けたスプラトゥーン。


 気付いたら沢山のスプラプレイヤーが見に来てくれるようになった。


 頼んでもないアドバイスをされるようになった。

内心「いらねぇ」と思いつつも「アドバイスありがとう☆やってみるね☆」と表面上は明るく返してみる。一応試してもみる。


 …アドバイスを活かせない。 ていうか何を言ってるかも分からない。


 うるせぇ出来ねーよ黙っとれ!と内心ブチ切れる気持ちを隠しつつ、絶対に人様の前で不穏な空気を出さないように心掛けている私は「出来ないよォ!難しいねぇ」と配信者モードで愛想良く返事をしてみる。


 そんな日々を繰り返していると、戦いの中でふとアドバイスたちが頭をよぎる瞬間があった。



 「これ進〇ゼミで出たところだ!」



 子供の頃によく見たCMと、家のポストに投函されていた冊子に登場する子供たちはこんな感覚だったんだ…!これがアハ体験かぁ…! 


 今まで理解すらしていなかったアドバイスを実行し、成功すると、教えてくれた本人たちが嬉しそうにしていた。私もなんだか嬉しくなった。 



 気付くと配信にはスプラトゥーンをプレイしていないリスナーも増え「ナイス」「ないふぁい」と声を掛けてくれるようになっていた。


 いつの間にか私の中に「みんなの期待に応えたい」という気持ちが芽生えていた。



 それから私は、やっぱり多少の「うるせぇ黙っとれ」という気持ちを抱きつつ、以前よりも素直に頼んでもな…有難いアドバイスを聞き入れてみる。


 時々何を言っているか分からなくとも、そのアドバイスが今の自分にとって出来るか/必要か/向いてるか/やりたい事かの判別がつくようになっていた。 


 なんなら自分から「今の場面って…」と積極的に改善点を聞くようにもなっていた。



 過去の私は無意識のうちにチャージャーやハイドラ等の後衛武器と同じ位置に立ち、届きもしないインクとボムを精一杯遠くに放ってはラッキーキルで満足していた。しかし、もっと前線で戦いたい!!と思い下手くそなりにオラオラと前に行くプレイに切り替えた。すると、 



 わかばはそんなに前に出なくていいよ! 



 前線で戦いたいなら他のブキの方がいいよ! 



 と言われることが増えた。 最初の頃は何故そんな事を言われるのか理解出来ず 



 私は世界一可哀想なわかばちゃん…!



 でもひたむきに意見曲げない私頑固でカッコイイのでは…?!?!? 



などと自分に酔っていた。が、今ならそう言われてしまうのも頷けるくらいにはスプラトゥーンやわかばへの理解が深まった。


 …と同時に、そんなに無理でもないのでは?とも思った。


 例え厳しくても難しくても修羅の道でも、好きなブキであるわかばで、好きなように戦って勝ちたいのだ。だってプロゲーマーみたいに人生かかってないし。遊びだし。



 そんなこんなで前線オラオラわかばちゃんを目指して数ヶ月が経った。今では下手くそなりに前にいきたい!という気持ちを汲んで、それに見合うアドバイスをくれる人たちが増えた。勝ち負けを気にしなかった私が、勝ち方にもこだわるようになった。



 そして、先日は1番苦手だったホコのXPが最高値を更新した。XP2044になった。



どう戦いたい? 

どうしたら勝てる? 


 自分と、わかばと向き合った。


 無理なんてことはない!わかばでも出来る!私でもできる!そんな気持ちに、わかばは応えていてくれた。



これからも私とわかばとみんなで、ナイスとナイファイを積み重ねていきたい。アドベントカレンダーに綴りながら、そう思った。 




 とあるわかば使いのひとりごと。