朗読「銭形平次」
「屠蘇の杯」、ただいま準備中です。
雑談 第1回目です。
日本一の淺黄空、江戸の町々は漸く活氣づいて、晴がましい初日の光の中に動き出した時、八五郎はあわてふためいて、明神下の平次の家へ飛び込んで來たのです。
「何んて騷々しい野郎だ。今日は何んだと思ふ」
これから屠蘇を祝つて、心靜かに雜煮の箸をとらうといふ平次、あまりの事にツイ聲が大きくなりました。
予告編、登場人物のご紹介です。
「屠蘇の杯の登場人物紹介」
神田の平次
明神下に住む岡っ引き。
通称・銭形平次。
八五郎
平次の一の子分。
通称・ガラッ八。
大黒屋徳右衛門
豊島町一丁目の雑穀問屋。
彌三郎
徳右衛門の養子。
お村
彌三郎の嫁。
お吉
忠兵衛
米松
手代。
お民
下女。
友吉
小僧。
右馬吉
お種の元夫。
甲子屋六兵衛
亀井町の雑穀問屋。
湯島の吉
湯島の下っ引き。
「屠蘇の杯」です。
もうタイトルから、お正月のお話です。
実は
次の1月は、
一本少し長めのお話と
もう一本普通ぐらいのお話、
の二本くらいUpしたいな、と考えていて
一本は恒例の一月一日UPで
以前、朗読カフェでやったものから
さっくり一本作って、
もう一本、長めの作品を…
なんて探した「長めの作品」が
「屠蘇の杯」だったんですけれど、
「屠蘇の杯」、読んでみたら
まさに「一月一日」から始まるお話だったもんですから、
これはもう
むしろこれを一月一日に公開したいよね
となってしまったわけです。
というわけで
出だしは
「親分、大変ッ」
と、
正月の挨拶とともに
平次の家に事件の報告に来る八五郎、から。
挿絵の方は、
八五郎目線で
平次の家のお正月…
平次とお静を描こうかな、と
過去に描いた絵なんか参考にしたところ、
だいたいこれ↑と同じ構図になったわけですよ。
いや、だいぶ変わりましたけどね。
というわけで
一月一日は、
見て(聴いて)くださる皆さんに
八五郎と一緒に
平次の家へ行った気分になっていただけたら
楽しいかな、などと思う次第です。
というわけで
今回もしばらくお付き合いのほど、
宜しくお願い致します!
次回につづく!
(一)
【豊島町】としまちょう
神田豊島町。
以前は湯島にあったが、聖堂ができるため移ってきた。
現在の千代田区東神田一丁目らへん?
【塵功記】じんこうき
江戸時代の算術書。
【五貫目】 ごかんめ
一貫は、江戸時代で約3.736Kg、
明治時代に3.75kgに定義される。
なので、五貫目は約18~19kgぐらい。
【一尺】 いっしゃく
約30.303Cm 。
【二、三寸】 にさんずん
約6~9㎝。
【四匁】よんもんめ
1匁が3.75gなので
4匁だと15g。
【四貫目】 よんかんめ
15㎏くらい。
(二)
【向柳原】 むこうやなぎわら
神田川沿い、柳原土手の対岸あたり。
八五郎が居候している叔母の家がある。
【辰刻】 いつつ
朝8時ごろ。
【亀井町】 かめいちょう
現在の千代田区岩本町一丁目あたりか
中央区日本橋小伝馬町あたりか。
竹細工職人が多く住んでいて
江戸の笊・籠類はほとんどここで作られていた、らしい。
(三)
雇人・奉公人の斡旋を職業とする人。口入屋。
縁談や訴訟の仲立ちをする人。
江戸時代の医者・大和慶庵が縁談などを