「銭形平次捕物控 瓢箪供養(五)(六)(七)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

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朗読「銭形平次」

「瓢箪供養、YouTubeちゃんねるにUP致しましたー。

 

 

「銭形平次捕物控 瓢箪供養」

 
 

「おや、春吉じゃないか」
佐太郎の一粒種、死んだ瓢々斎の孫に当る、

あの可愛らしい男の児が、

何の惧れ気もなく、縁側に並んでかけている二人の前へ歩いて来るではありませんか。

 

 

てんとうむし

 

 

 

 

瓢々斎の家で徳利を見つける八五郎。

 

瓢箪のお話なので、うっかり瓢箪を描きそうだけれども

ここで八五郎が持ってきたのは

「徳利」です。

 

一升入りの貧乏徳利

 

「貧乏徳利」って言葉は

よく耳にするんですが、

なんとなく粗末な徳利とかそういう意味だと思っていたら、

そうではなくて、

一升以下のお酒を売るときに使う

酒屋の貸徳利のことを「貧乏徳利」というんですってね。

 

徳利の絵を描くために一応画像検索とかもするのですが、

12X26㎝、15X25㎝、14X26㎝、とか

そのくらいの大きさだな…

まあ、一升(1.8ℓ)入るくらいの大きさですよね。

 

ホントは銘柄とか酒屋の名前とかが入っていたり、

地域によって形が決まってたりするのかな…

まあ、イラストはイメージということで。

 

 

余談ですが、

先日、良く買うコーヒーのペットボトル600mlが

期間限定3本でおいくら…となっていたので

3本買ってきて、思いました。

コーヒー、一升分だな、と。

 

 

 

てんとうむし
 
 
瓢々斎の家で見つかった酒を
八五郎に目利き…というほどでもないけれど
「剣菱か地酒か」を確かめてもらう平次。
 
 
…の「剣菱(けんびし)」
 
そんなに、というかまったく
お酒には詳しくないので、
お酒の銘柄などわからないのですが、
「剣菱」のアクセントはアクセント辞典に出ていない。
 
しかし、お酒ではないけれども
「家紋」の剣菱は
 
剣菱 んびし
 
となっているので、
きっとお酒の方もこのアクセントなんじゃないかしら。
剣菱酒造、創業500年を超えるそうだけど、
この家紋が名前の由来なのかしら。
剣菱酒造さんのHPに出てましたけれども
「東海道五十三次」の中にも剣菱が描かれていたりするんですってね。
 
一応、朗読の方では
剣菱 んびし と読んでから気付いた。
剣菱のお酒を紹介するような動画が
YouTubeなりにあがってれば、
アクセントがわかるんじゃない?
ということで、探してみる。
 
…まあ何パターンかはありそうですけれども
んびし と言ってる人も多そうなので一安心。
 
 
それでもうひとつ思い出した!
 
平次と八五郎が拾った「印伝の財布」
まず「印伝」って? と思い、
どうも、印伝革の略のようなんだけど、
 
印伝革 いんでんがわ
印伝財布 いんでんざいふ
 
などの複合語なら中高なんだろうけど…
これこそアクセント辞典には載ってない。
 
複合語なら中高だろうし…と
一応尾高型
「いんでんの…で読んでみたものの…
 
これも、「印伝革」を紹介する動画を探してみたところ、
どうも関係者の皆さんは
 
印伝 んでん
 
と頭高で言っているようなので
一度収録しましたけれど、録りなおしましたよ。
 
 
てんとうむし
 
 
さてさて、クライマックスですよ。
注意ネタバレ注意です。
 
 
健康に気をつかって禁酒のイベント(瓢箪供養)までしたあとに
自分で死ぬわけがない、
誰かに殺されたんだ!
と思われていた瓢々斎、佐兵衛
 
しかし、
どうも、瓢々斎が死んだ後に
駒三郎元助に疑いがかかるように仕向けられている?
 
わりと早い段階で、平次の推理で
瓢々斎は自殺で、
ではそれはどういうことなのか、
という方向にお話が進んでいきます。
 
そんな矢先に
番頭の駒三郎が殺され
事件はますます深刻に。
 
 
そして、意外な結末。
 
二十八年前に
浜松で起こった強盗事件の犯人が
佐兵衛、正吉、駒三郎、元助の四人で、
その後、まっとうな職業について五千両の財産を作った佐兵衛を
残りの三人が強請っていたことが明らかに。
 
元助、正吉の正体を暴く平次。
 
 
ところで、このお話のおもしろいところは、
佐兵衛を自殺に追い込み、
駒三郎を殺した犯人がわかって
事件が解決したあと、
 
では、五千両の行方は?
という謎が残るところ。
 
寺島の寮の縁側に座って考え込んでいた
平次と八五郎、
 
何気なく、平次が池で拾った笛を吹いてみると…
 
 
佐太郎の息子、佐兵衛には孫にあたる春吉
生垣を潜って現れるところ。
 
正吉、駒三郎、元助を恐れて
表向き勘当として
息子と連絡を絶っていた佐兵衛、
 
当然、かわいい孫にもあまり会えずに
死んでいったのだろうと思いきや、
こんな方法で、祖父と孫が交流していたなんて。
 
そして、五千両の財産は
少しずつ孫に渡して隠させていたことがわかるのでした。
 
 
お話読んでて、
「五千両の行方は」「御用金三千両」
「盗まれた三千両は佐兵衛の息子の名で返し…」
 
そして八五郎が
「二千両ありゃあ女房の養生も…」
と、
 
ん?五千両?三千両?…二千両?
と思いましたが、
 
28年前に盗まれた御用金三千両
それを元手に佐兵衛が蓄えた財産五千両
御用金三千両を豊後守に返して
残りが二千両…は佐太郎の手元に、
これで長患いの女房お松の養生もできるということなんですね。
 
 
剣菱を味見する八五郎とか
生垣を越えて現れる春吉とか、
絵にしたい場面もたくさんあってですね、
 
自殺してしまった瓢々斎佐兵衛はかわいそうですけれども
いろいろと見どころのあるお話だったんじゃないでしょうかー。
 
 
 
事件も解決して、家路を急ぐ
平次と八五郎です。
 
 
 

 

てんとうむし

 

 

 

ご視聴ありがとうございました!虹

 

 

 

てんとうむし

 

 

 

(六)

【遠州】 えんしゅう

遠州は 遠江国(とおとうみのくに)の別称、

現在の静岡県西部。

 

(七) 

【留守居】 るすい
江戸時代、諸大名が、その江戸屋敷に置いた職名。
幕府との公務の連絡や他藩の留守居役との交際・連絡を担当。
聞番役。留守居役。    

 

 

三千両 さんぜんりょう

一両= 5~10万円くらいとすると、

1億5000~3億円くらい?

 

【一朱】 いっしゅ
一朱金は江戸時代に流通した金貨のひとつ。

一朱は、一両の16分の一。 

一両= 5~10万円くらいとすると、
今の3,000~6000円くらい。

 

【下谷】 したや
現在は東京都台東区の町名。
浅草・本所・深川と並ぶ東京下町。

 

 

 

 

 

 
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