「銭形平次捕物控 白梅の精(七)(八)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

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朗読「銭形平次」

「白梅の精」

 

雑談第4回目、最終回です。

 

 

「銭形平次捕物控 白梅の精」

 

二人が手早く仕度を整えると、

行先は言うまでも無く白梅屋敷、

それは鼻をつままてもわからぬ、

二月の末の真っ暗な晩でした。

 

 

 

てんとうむし

 

 

 

近所の衆と江の島詣りに行った金兵衛

帰ってきたので、話を聞く。

 

 
白梅屋敷は、
“木っ端旗本や安御家人の家などは
蹴落とされそうな家”
ってことですから、相当なお金持ち?
金兵衛ですので、
最初はもっといい着物っぽいのを
着せてみたんですけど、
 
旅から帰ったばかり…てことで
旅装束みたいのにしてみました。
イメージとしては、
水戸光圀と旅する助さん格さんみたいな。
 
 
金兵衛が泊まっていたという岩本院
江の島にある宿泊施設…
 
現在は 岩本楼という旅館になってるそうですが、
もともとは江の島神社の総別当で、
江戸時代には
江の島が観光地として栄えたことから
岩本院も宿坊として栄えていた…とのことですよ。
(主にWikipedia調べ)
 
 
てんとうむし
 
 
今回出てきた指ケ谷町の岡っ引き、
指ケ谷町の喜七
 
年齢の隔たりを越えて八五郎とは馬が合いそう…
とは、いいキャラクターっぽいですね。
 
 
夜の白梅屋敷へ向かう平次と八五郎。
 
ところで、八五郎が
夜中に平次に起こされる場面で
 
「ム、ムニャムニャ…」
 
というセリフがあるんですけど。
今回は 他にも
 
「ブルブル、
あっしは女のお化けと男のけちん坊は大嫌いで」
 
ってセリフがありますね。
こういう「ムニャムニャ」とか「ブルブル」とか
文章に出てきた時は
朗読ではどう読みましょうかね? と考える。
まあ、自然にセリフに聞こえるように、
を心がけておりますが(^^;
 
 
てんとうむし
 
さてさて、
このへんからは 注意ネタバレですよ。
 
 
平次と八五郎が
夜の白梅屋敷へ行ってみると、
何やら、土を掘る音
 
それは梅の木の根元のあたりから
聞こえてきます。
 
梅の木の根元を掘っている
二人の人物が使った 泥棒がん燈のあかりに
照らされた穴の中には
一体の骸骨
 
「あっ」
 
という女の声と共に
灯りは消えますが、
 
「八、用心しろ」
 
という平次の声のあと、
八五郎に体当たりした人物。
 
もう一度灯りがつくと…
 
八五郎に組み敷かれたのは
白梅屋敷の主人、金兵衛
 
そして、
五年前に お組の父・与惣六を殺して
梅の木の根元に埋めたのは
金兵衛夫婦、
むしろ 主犯は女房のお作
 
金兵衛を
四谷に泊まらせたり、
江の島へやったりしてアリバイを作り、
 
その間にお作が
与惣六や百助を殺し、
帰ってきた金兵衛に
梅の根元に与惣六の死体を埋めさせました。
 
白梅の精の格好で人を脅かし、
梅の木に人が近づかないようにしていたのも
お作でした。
 
 
“梅の木の根元に大金が埋まっている”
というのは、
誰かが梅の木の根元を掘ってくれるように、と
お組が立てた噂。
 
父の死骸を見つけて、
穴の中に飛び込みそうにするお組
支える小僧の直吉
 
なんとなく、こうジブリの少年少女の主人公のようなね、
そんな感じに描きたかった。
つ、伝わるかなー(^^;
 
しかし、胡堂先生は
少年少女小説なども書いていらしたので、
ときどき、こう、
少年少女 大活劇 的な雰囲気があるときが
ありますよね。
 
 
てんとうむし
 
 
あくる朝、家に帰って
八五郎に説明をしてやる平次。
 
 
ところで、
初回のブログに書いた
「この話に似たお話」
なんだったか、おわかりになったでしょうか?
 
平次には珍しい超短編、
 
「初姿銭形平次 八五郎手柄始め」
 
です。
4年くらい前、かな、
最初に実験的に紙芝居調で朗読してみたやつです。
そちらは15分くらいでしたか…
 
「八五郎手柄始め」 は、
たしか何かの新聞に載ったものだったらしいのですが、
番外編みたいな感じですかね。
嶋中文庫の銭形平次では九巻の巻末
 
「コント初姿銭形平次 八五郎手柄始め」
 
として載ってました。
多分、作品番号からすると、
「八五郎手柄始め」より
「白梅の精」の方が発表が早いと思うのですけど、
内容が似てしまったというよりは、
新聞に載せるための短い読み切りのお話として、
「白梅の精」を元に
短いお話を作ってみたのかもしれないですね。
 
そういえば、
383編ある銭形平次、
お話がかぶらないように、等
胡堂先生の奥様のハナさん
チェック等協力してくださっていたというお話を
何かで読んだことがあります。
 
や、しかし、
 
今回のお話のポイントは白梅の精
 
月の良い晩などに現れる
幻想的な白梅の精、
その正体がわかる場面など、
こちらはこちらで 楽しいポイントの多い
お話だったのではないでしょうかー。
 
 
 
では、今回も一件落着です。
 

ご視聴ありがとうございました!虹

 

 

 

てんとうむし

 

 

 

 

 

(七)

【酉刻】 むつ 

夕方6時ごろ。

 
(八)
【五、六貫目】 ご、ろっかんめ
一貫は、江戸時代で約3.736Kg、
明治時代に3.75kgに定義される。
なので、五~六貫目は約18~23kgぐらい。
お作は 自分より20㎏くらい重い
百助の死骸を梅の木に釣り上げたということですね(^^;
 
【丑刻】 やつ
現在の午前2時頃。
 
【六尺】 ろくしゃく
一尺は約30.303Cmなので、
六尺で約180Cm。 
金兵衛たちが掘った穴の深さが
約2メートルくらいってことですか。

 

 

※江戸時代の時刻の詳しい解説はこちら

江戸時代の時間

 

 

 

 

 
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