朗読「銭形平次」
「辻斬」、youtubeちゃんねるにUPしますよー。
朗読UP前だけど、いいや、もう一回。
朗読は、今晩9/11㈯夜21時くらい
にUPされる予定。
解説&雑談 第2回目です。
この夏あたりから始まった辻斬騒ぎ、
最初は新刀の切れ味を試す
二度三度と重なると、次第に悪魔的な興味が高じて、
神田一円に九段から両国まで荒らし廻る辻斬の狂暴さは、
さすがに幕府の老臣方の目にも余ったのです。
えー、というわけで
今回は 辻斬が出没した辺りとして、
江戸の地名がたくさん出てきます。
辻斬をおびき出すために
平次と八五郎が歩きまわったのは この辺。
九段から両国、神田橋から柳原土手。
神田川沿いの土手ですね。
そうそう、電子書籍の挿絵の時は
描かなかったけど、
ふと気になったのが、
このとき、平次と八五郎は
提灯を持ってたのか。
辻斬が出てくるのをそっと待つなら
提灯を持っていたら目立ちすぎか?
とも思ったのですけど、
夜の江戸を歩くなら
提灯は必須でしょうし、
夜講か参会の帰りの商人のフリをしてるなら
なおさら提灯持ってないと不自然でしょうしねー。
そもそも
提灯を持たずにそっと闇にまぎれて
歩いていたら
辻斬の目にもとまらないだろうし…
ということで提灯を持たせてみたのですけれど。
なかなか辻斬が出ないので
一人ずつ歩いてみることにして、
左と右に分かれた平次と八五郎。
柳原土手に差し掛かったときに見つけた
怪しい人物を八五郎が捕らえると…
それは辻斬ではなくてやくざ者の音松。
いや、しかし ここで駆け付けた平次が
「俺は灯を借りてくる!」
と浅草橋の番所に提灯を借りに行くという場面が。
…ということは、今まで二人は
提灯を持ってなかったってこと!?
いや、しかし、
夜の江戸を商人のフリをして歩くなら
提灯は必須… と振り出しに戻る(^^;
いや、ここはつまり
曲者(音松)との乱闘で、
提灯の火が消えてしまったことにしよう!
と、あたしは勝手に納得したのでした。
それからは、音松に案内させて
夜の駿河台を見張る平次たち。
ここで平次が目をつけた
「三つ鱗」の紋。
「三つ鱗」ってこんなんですけど…
鎌倉時代の北条氏の紋として
有名な紋らしいので…
この後、この萩野が
旗本・北条出雲の家の者だということに
つながってくのかなあ…
北条出雲、北条左母次郎は
実在の北条家とは関係なく、
胡堂先生の創作かもしれませんけど。
次回へつづく!
【(二)(三)の語句解説など】
(二)
警備や見張りのために設置された
【五十両】 ごじゅうりょう
一両= 5~10万円くらいとすると、
50両は 250~500万。
【三、四間】 さん、よんけん
1間 = 約1.8メートルなので、
だいたい 6~8メートルくらい。
(三)
【三両】 さんりょう
一両= 5~10万円くらいとすると、
今の15万~30万。
一両= 5~10万円くらいとすると、
今の25万~50万。
銭形平次を江戸後期の話とするなら、
【町役人(ちょうやくにん)】 ちょうやくにん
長屋で集団生活をおくる町人たちの中から、
身分的には同じ町人でありながら、
町奉行支配のもとで、町の自治を担った人。
町年寄りの下に、
町名主・月行事・書役・家持・家主などがいる。
「町役人(まちやくにん)」と読んだ場合は、
町奉行所の役人のことを指す。