朗読「銭形平次」は
「橋場の人魚」、
解説というか雑談、最終回です。
橋場へ行くと、伊豆屋へは入らず、裏から廻って、
かねて用意したらしい、一艘の
「八、頭から、その
「変な匂いがしますね、親分」
「黙っていろ、舟を少し川の真中へ出して貰うから、
物を言っちゃならねえ」
「ヘエ」
それは
両岸の灯も消え、吉原通いの
隅田川は真っ黒に更けて行きます。
もとは お銀のいい人で
向島一帯を縄張りにしていた
侍やくざの 阿星半七郎、
名前だけ出てきた人物ですが、
この人が住んでいたと思われる「原の郷」、
ここだけはちょっと場所がわからなかった。
古地図でも見つからなくて。
でも、探ってこいと言われた八五郎が
本所へ向かうから、
きっとそっちの方なんでしょう。
そして、八五郎が聞き込んできた情報は
「あれは
人魚のお銀と言われた大変な女ですよ」
これで、タイトルの「橋場の人魚」と
つながってきましたね。
ところで、そっかー、
「潮来(いたこ)」って地名なんだー、
と気付く。
茨城県南東部の 潮来市。
そっかー 橋幸夫さんの有名な曲「潮来笠」の
イタコの 伊太郎~
は、潮来 出身? 在住?
の伊太郎だったわけですね?
なんとなく、ずっと
恐山のイタコさんが頭に浮かんでいた。
や、もう全然 本編に関係ない話で
申し訳ありませんが、
先日観た 野田MAP公演「フェイクスピア」に
恐山のイタコが出てきたものですから。
「フェイクスピア」、素晴らしかった!!
話を戻します(^^;
茨城県の潮来市、
霞ヶ浦や利根川などがあって、
水には関係が深そうなところ。
お銀が人魚と言われた背景が浮かんできますね。
ええ、ええ、先日も書きましたように、
このお銀ってキャラクター
私的には気に入っているのですが、
「頭へ油をつけるのが嫌いで、
3日に一度5日に一度は洗い髪」にしていると
茶汲み女のお松も証言していますが、
つまり、しょっちゅう泳いでいるから
洗い髪の状態のままにしていることが多く、
あまり油も使わないのでしょうね。
ということで、絵の方も日本髪というよりは
くし巻きのような雰囲気に。↑
で、先日も書きましたように、
個人的に 人魚モチーフ のお話は
好きなのですよ。
多分、子どもの頃に
家にあった絵本の中で いちばん
いわさきちひろさんの絵の
「にんぎょひめ」が好きだった時から。
↑いわさきちひろ美術館にも行った
「にんぎょひめ」、
アンデルセンの人魚姫ですね。
なんだろう、
今はわりとハッピーエンドが
好きだったりもするけど、
子ども心に
あの、切ないラストシーンが好きだったのかなあ。
その後、大好きな高橋留美子さんが
その後の「人魚シリーズ」となる
第一作目「人魚は笑わない」を描かれたときは
そうりゃあもう大興奮。
シリーズの中では「人魚は笑わない」が
好きなのですけども、
その後、単行本のタイトルとなる「人魚の森」、
今回の「橋場の人魚」も、
水神の森 があって
そこに ミステリアスなお銀という女が
住んでいて…
「人魚の森」という言葉を思い起こさせるような
気がするのですよ。
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ではでは
これにて「橋場の人魚」 終了です。
人情、推理、捕物、
というよりは
お伽噺的な情緒のある話だったかな…
初夏のひととき、
水辺のお話で
少し涼しい気分になれたらいいかも。
ではではまた。
ご視聴ありがとうございました!
【(六)の語句解説など】
(六)
【子刻】 ここのつ