朗読「銭形平次 くるひ咲」
解説やら雑談やら。4回目、最終回です。
さて、今回 登場の人物といえば
お勢さん ですが、
「富籤政談」の お勢 とは別人です(笑)
「富籤政談」解説のときにも書いてるけど、
江戸川乱歩の「お勢登場」といい、
“お勢” って、なんかこう
ミステリアスな感じの人の名前なのかしら。
なんかこう、
この、二面性のある登場人物って
いいですね。
最終章のお勢さん。
他の登場人物の絵なども。↓
1回目の予告編のとき 少し話題に出た
お町。18歳。 出番はあんまりなかった。
四谷の御用聞き、朱房の源吉。
反・平次派。
今までの「銭形平次」の中に
岡っ引きって 結構たくさん登場してるんだけど、
今度あらためて 一覧でも作ってみようかと思うよ。
浪人・大里玄十郎。
青髭のあとすさまじい(笑)
お町の家の 名もない女中。
わりと気に入っている。
あと、今回、平次の 何気ないツッコミが
好きなんですけど。
八五郎 との会話、
八 「眠っているところをやられたら?」
平次 「井戸端で
眼を開いて
寝ている奴はない」
が、意外とツボ。
これも 雑談ですが、
(多少 ネタバレになるかもしれないので 注意です)
↓
今回のお話を 予習 練習 録音しながら
あいまあいまに 無意識に歌ってる歌、
他人(ひと)に 聞かれりゃ
お前のこーとをー
歳のはなれた 妹とー
良く知らないけど
このへんのフレーズだけは
知ってる歌。
ずっと これを 「岸壁の母」だと思ってたんだけど、
あれ?
考えてみれば 「岸壁の母」は
出兵した息子の帰りを待つ母の歌だったはず…
母は来ましーたー
今日も来ーたー
だよね…
じゃあ、この歌はなんだ?
あとタイトルに “母” のつく歌というと
「金町の母」か…
と考えて、
なぜ 金町(かなまち)?
亀有のとなり?
と、ちゃんと調べてみると、
ホントのタイトルは
「花街(はなまち)の母」
だった。
なるほど。納得。
なんか、ずっと うろ覚えで
「花街の母」を「金町の母」
と思ってたんですよ…
ラストのラスト、
後日談的な部分には、
前に電子書籍の挿絵で描いた絵を使ってみた。
この絵は わりと 今まで描いた挿絵の中でも
気に入ってたもののひとつで。
朝顔 は お話の中でも重要な役割だけど、
きっと 素顔のお勢さんは
朝顔のような人なのではないかと。
それにしても 今回も
平次は 下手人を縛らない。
ドラマとか主人公によっては
罪は罪、ちゃんと罪を償うことが大事
っていう考え方が魅力的な探偵役も多いけど、
時代性だからか
捕物帳だからか
平次の人柄だから、というか
この 人情派なところが
平次の魅力であると思うのです。
前回の平次朗読では
「母」のつくタイトルの作品ということで
「母娘巡礼」でしたけれども
今回の「くるひ咲」の方が
“母” をテーマにしたお話でしたかね。
ではでは、
これにて「くるひ咲」は終了、
今回も
ご清聴、ありがとうございました!
【(六)(七)の語句解説など】
(六)
現在の東京都中央区八丁堀。
八丁堀に官舎があったことから、
「八丁堀の旦那」などと呼ぶ。
(七)
【櫛巻】 くしまき
女性の髪形のひとつ。