三浦しをんさん著。
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
(裏表紙引用)
「舟を編む」「まほろ駅前~」は映画で観たことがあったが三浦しをんさんの本は初読み。
ブロ友のはゆるさん、tomoさんがおすすめしていたので、これは買うしかない!と思っていたところ絶妙なタイミングではゆるさんがプレゼントしてくださったので有り難く大切に読ませていただきました(*´ω`)
この本は雰囲気が最高に素敵でした。
で、ここから感想を書こうと思うのですが、この素敵な雰囲気のそぐわない下品な表現も出てくるかと思われるのできれいな印象をぶち壊されたくない方は読まないことをおすすめします。
まず、古書店という私好みの舞台設定で、しかも古書店の主なのに長々と蘊蓄を言わない事に感動し(笑)(いや蘊蓄おじさんが主役のシリーズも大好きですが)、読んだ後にレビューを見たら 真志喜 と瀬名垣の関係について「匂い系」という表現が多かったが、私的にはけっこうはっきり(身体の関係があるなし)書かれてた気がしたので意外だった。
最初の方から「あれが俺の禁断の果実だったのか」と瀬名垣が真志喜にべた惚れなのが分かるセリフにキタ━(゚∀゚)━!!!と腐心がざわつき、瀬名垣の真志喜の髪を触る描写に、もうざわざわが止まらない!
そんな中、とどめを刺してきたのは高速道路を車で走行中の二人の会話。
真「みすずがどうして「瀬名垣」なんて他人行儀に呼ぶのかだってさ」
瀬「呼んでるのにな。お前のこと。名前で」
以下中略~
真「私が名前で呼ばなくなってもお前は何も言わなかった」
瀬「呼んでるだろ、名前で」
真「そうじゃなく・・・こうしてしゃべったりしているときのことだ」
ん?んんん?これは・・・!!!
つまり普段は名字呼びだけどそうじゃないときは名前を呼んでるって事だよね?(興奮)
そして極めつけは依頼先で一夜を明かした朝の会話。
「昨日はよくお休みになられました?部屋寒かったかしらと気になっていたんです」
という依頼主の言葉に対する瀬名垣の
「いえ”熱い”くらいでしたよ」
という意味深発言。
最初読んですぐ、はっ!としたけど冷静に考えて依頼先でいたすかな~と思ったのでもやもやした感じだったが他の方のレビュー見たらどうやらいたしてたみたいで・・・。
流石にこれはどうかと思ってしまった(;'∀')だって依頼先だよ?
が場所が違えば何とやら~だったのかな?笑
がっつりBL部分について感想書いてるが、その他の部分も素晴らしいんです。
好きと素直に伝える前に、ある出来事があって簡単には気持ちを伝えあうことが出来なくなってしまった二人。
古書を巡って複雑に絡まった糸はほぐれることはないのかと思いきや、とうとう絡まった糸の中心部分に対峙することに。
真志喜の父親の気持ちもわからないではないがやっぱり私は真志喜や瀬名垣の方に肩入れしてしまった。
ラストの月と罪の色から鮮やかに変わった池の魚の描写はとても良かった。
同時収録の高校時代の二人を教師の視点から書いた「水に沈んだ私の村」、描き下ろしの「名前のないもの」も良かった。
夏の夜って不思議な引力がある気がする。
そして当然ながら小説なので挿絵はなしで登場人物完全妄想するしかないのだけど
あれ?これ魚住くんシリーズ(茶屋町さん絵)の久留米と魚住でもぴったりじゃないかと思った。
あれこれ自分好みのキャラにできるところが小説という文字だけの楽しみでもある。
はぁ~やっぱり活字も好きだな~(*´ω`)
朝 kkヨーグルト
昼 ピーナッツパン・クッキー紅茶
夕 焼き鳥・鮭おにぎり・ヤクルト
<体調>
・頭痛