少し遅くなりましたが、10/13,14に東大駒場キャンパスで行われていた「LGBT医療福祉フォーラム」に参加してきました。
学んだことが多すぎて、復習にはまだまだ時間がかかりそうですが、感じたことやらやりたいことやらを書き連ねます。
前回のブログに書いた「GID治療の医療ネットワークの構築・強化」「GID当事者の身体の性の疾患リスク管理」「誰もが受診しやすい性医療の供給」について改めて考えさせられました。
また、特にトランスジェンダーのHIV・AIDSについての啓発が日本ではほぼ行われていない現状、世界ではトランスジェンダーはHIV感染リスクのハイリスク層であるということについては、目をそらすことはできないと感じました。
今回のフォーラムでの話も踏まえて上記の要項を少し掘り下げます。(実現不可能な話もあるかもですが)
まず、トランスジェンダーについて。
主に問題になるのは、ほぼ一生続けるホルモン補充療法やその他の一般の疾患だと思います。
これらを扱える病院を増やせないだろうか。
さらに、2006年に採択されたジョグジャカルタ原則によると「法的性別変更の条件にホルモン療法や不妊手術や性別適合手術といった医学的治療は必須とされない(Wikipediaより)」とされています。
法的性別の変更に性別適合手術が必須となっている日本の現状は、これに反していると言えます。
これを根拠に日本でもこの要件の撤廃に向けて動き始めています。
今後、おそらく日本においても性別適合手術を受けずとも法的性別を変更できる日が来るだろうと思っています。
これ自体は非常にいいことなのですが…。
前回も述べたように、子宮卵巣を持つ男性や睾丸を持つ女性が存在するようになりがんなどの疾患が生じたり、法的性別とは異なる病態の性感染症に感染したりということも大いに考えられます。
この検査や治療を、当事者になるべく不快感を与えずに、どのように行っていくか。
そもそもどの医療機関を受診すればいいのか。
全国どこにいても同じような医療を享受できるのか。
これについて、僕自身一当事者としても非常に不安な点です。
また、トランスジェンダーに限らず、日本において性の健康はタブーのような扱いを受けていて、恥ずかしさやハードルの高さが今尚深く根付いているように感じます。
医療従事者に対する教育も足りていないとのことでした。
多くの医療従事者が協力しあって、誰もが安心できる医療を提供できるよう努力すべきではないかと感じました。
以上を踏まえて、こんなことを考えてみました。
総合病院など多くの診療科を持つ病院で、医療従事者全員で協力した上で、トランスジェンダーを広く受け入れるような体制を作りたいと感じました。
人間ドッグのような検査を1つの病院の中で全て完結でき、安心して利用できる医療機関を作れるのではないか。
さらに、総合病院のマンパワーを生かして、症例など知識や経験を全国の多くの医療従事者と共有できるシステムを構築することで、全国どこでも同じような治療が受けられる体制を作れるのではないか。
できれば、精神的にも身体的にも負担の少ない医療機器も導入したい。
このような病院が作れれば、トランスジェンダー以外でも、性に関する医療に抵抗を感じる多くの患者さんの拠り所にもなれるのではないか。
医療機関とは別枠で、トランスジェンダー向けの性感染症(もちろんHIVについても)についてのガイドブックとかを作ったり、監修?したりもできるのではないかとも思ったり…。
なかなか夢物語な感じだけど、できたらいいなぁ…