とにかく毎日増えるというのが、たったひとつの誇れることだ。だから今日も書く。どんなに凄惨な出来事が起こった日にも、何かを書いているべきだ。


 家に植物がふたつある。ひとつは、パソコンのハードディスクが入ってる箱(これの正式な呼び方がわからない)の上に置いてある小さいヤシ。去年、駅の構内に花屋ができて、そこで買った。日中は雨戸を閉め切って外出するから、こいつには1日中ほとんど日光が当たらない。そのせいか、かえって光を求めて、葉を大きく広げているように見える。随分立派になった。


 もうひとつは、これは最近買ったばかりなんだが、無印良品で売ってたバンブーの鉢を玄関に置いている。鉢は透けていて、根の生え方が外から見えるようになっている。竹みたいな硬質なデザインの植物にも、案外生物的な姿形をした根が生えている。こいつはヤシに比べるとどっしりしていて、買ったばかりの頃から、ほとんど見た目が変わらない。


 他にこの部屋で命の匂いのするものといえば、シンクに捨ててある野菜の腐ったのくらいなもんだ。あとはゴミ箱の中でティッシュに包まってる精子。ゴキブリの糞。蛾の死体。あとは長年使っている家具なんかには、下手に生物的なものよりも意志の力のようなものを感じることがある。要するに不気味。