【イベント回顧⑤】・Ⅹ。 | 柴井 太朗の洋楽かれいどすこうぷ

【イベント回顧⑤】・Ⅹ。

このホールは大阪でもコンサートのメッカとして今でも有名である。
二つのホールがあり、週の半分は両方にブッキングがなされる。
この日もそうだった。

ホールコンサートは指定制なのであまり早く行く必要もないのだが、ギリギリで行くと夕方のラッシュにぶつかってしまうこともあるのでそれまでに着くようにしていた。

開場まで、向かいの公園でパンをかじりながら誰か先日一緒だった連中は現れるかな、と周りを見渡していた私であったが誰からも声がかかることは無かった。

終了後、一斉に観客が吐き出される。だいたい二つのホールの終演時刻はかち合うことが多いため、ロビーは混み合うのが常である。

待ち合わせなどはどうしても向かいの公園で、という流れになるわけだ。

私もあてがあるわけでもないのだが、いつものように公園のベンチに腰を下ろし、その日のセットリストのおさらい等をしていた。
すると、一人の男性から声を掛けられた。
先日リクエスト会議で同席しましたね、と。

とっさには思い出せなかったが、確かにそうだった。
二言三言会話を交して別れたが、以降は会うことも無かった。

私はこの後も単独行がしばらく続いたのであった。

~この項・完