コスタリカの物価
コスタリカは中南米の中では物価が非常に高い。
そのことはコスタリカに住む友人やコロンビア人の友人から聞いていた話であった。
実際に来てみると、たしかに宿の値段はペルーやコロンビアの1.5倍くらいするし、コンビニで見かけるジュースや軽食の値段は日本以上であった。
無論ヨーロッパと比べたらまだまだ安いが、たしかにある程度の安さを期待してしまう中南米の中ではコストのかかる国だといえる。
しかし高いんだけれど、食堂に関しては「高い分、具が多い」という気もする。
今回まわったラテンアメリカの国々では、
ボリビア→ペルー→コロンビア→コスタリカ
の順で定食の値段が上がり、しかし値段に比例して具材に肉が増え、豪華になるような気がする。
わたしとしてはコロンビアの食事が一番、量と値段の折り合いがついてちょうどよかったように思う。
500円ちょっと出せばある程度の肉の乗ったワンプレートランチが、飲み物つきで出てきたからだ。
コスタリカではまともに昼食を食べようとすると1000円近くかかりそうであった。
このままでは破産する。
コスタリカの首都サン・ホセでなんとか比較的安い食堂を見つけたがそれはニカラグア料理屋、そしてその近くにあった手頃なパン屋兼カフェの名は「コロンビア」であった。
移民のいる国なのだなあと、しみじみ思う。
われわれとしては安くておいしいならどこの料理でもよいので、これらの店を頻繁に利用した。
さて、これらの店は店名こそ外国風ではあるが、メニューは通常のコスタリカの食堂と差がないように思われたので、こうした店で食べたものも「コスタリカの食事」として話を進める。
甘いバナナはご飯のおとも
コロンビアの定食では豆の煮込みや焼き(または揚げ)バナナが定番の付け合わせであり、それはコスタリカでも同様だった。
博物館ではコロンビア、パナマ、コスタリカの黄金製品に共通する要素が見られるとあったので、食文化もこの3国は近いのかもしれない。
しかしコロンビアのバナナは甘さ控えめでホクホクした食感があり、バナナには果物というよりも、イモの役割が期待されているように感じた。
しかしコスタリカではバナナがじっくり黒くなるまで焼かれており、熱を加えることで甘味が最大限引き出されとっても甘い。
イモ要員ではなく、果物のバナナとしての存在感がある。
同じような見た目のワンプレートメニューでも、この差は大きいのではないか。
両国に挟まれたパナマではバナナに何を求めるのだろう。
いずれパナマを訪れてその検証をしてみたい。
で、じっくりと焼いた甘いバナナがご飯や肉料理とともに出されるのであるが、わたしはそれはデザートではなくあくまでおかずなのではないかと思う。
というのは信じがたいことに、甘いバナナとご飯は非常に合うのである。
夫は「酢豚にパイナップルは不要」という人間であり、きっと甘い焼きバナナにもぶつぶつ不平をもらすのではないかと思っていた。
しかし予想に反し、夫も「ご飯に合うなあ」などと言っている。
濃厚でねっとりした甘みのどこが米に呼応するのか。
それは未だにわからないが、バナナというものはたくあんや「ご飯ですよ」に負けず劣らず、しっかりご飯のおともを務めているのだった。
(カフェ「コロンビア」の朝ごはんメニュー。
「ガジョピント」という豆ご飯をよく見かけた)
(ニカラグア料理店のランチ。
薄めだが大きなステーキ、サラダ、豆煮込み、そしてもちろんバナナつき)
(別の店でテイクアウトした弁当。
中央手前に大きなバナナが2本ある。
ちなみに同店では「バナナのセビーチェ」なるものもあり、それはバナナを(おそらく)茹でてから玉ねぎ、赤パプリカ、トマト、パクチーとともにマリネしたものだった)