キャンディの植物園
スリランカ、高原地帯のお茶の産地キャンディにはペーラーデニヤ植物園がある。
宿のお兄さんによると、敷地は膨大で様々な花やスパイスが植えてあり、世界的にも有名らしい。
夫は普段ネコだけでなく植物も記録する習性があり、すでに膨大な数の写真を撮っている。
そこで植物園なら夫も喜ぶであろうと、雨の間の天気の良い日にバスで向かった。
着いてみるとたしかに園内は広く、観光客だけでなく地元の家族連れやカップルがたくさん来ている。
カップルはベンチに座ってクソ暑い中ひっつき顔を寄せ合い何事か語らっている。
ベンチではことたりないのか大木の裏にも男女がいるので、蚊の飛びまくるなか何をしているのかとちょっとまわり込んでみるとやはりベタベタしていた。
いいなあ、わたしもああいうときめきが懐かしいなあ
と思ったのだが、夫とこのような時期があったであろうか。
必死に記憶をほじくり返すが思い出せず、夫とは出会った当初から恋人ではなく家族のような生活感あふれる関係性であったという哀しみもかみしめながら撮った写真を以下に載せる。
知らない植物というのはこの世にたくさんあるのだなあと素直に思えたひととき。
今回は木、次回は花を紹介したい。
(まっすぐ天までのぼるかのよう)
(木の間にちっちゃい木。夫はこういうものをよく見つける)
(幹の広範囲にわたってこの状況。生命力!)
(木々の合間、角の立派な白牛が草をはむ)
(垂直に空へと伸びる枝を見て夫がしみじみひとこと。
「すごい向上心のある枝やな」)
(垂れるのは柳の専売特許ではない。
この緑の島ではダイナミックに木が垂れまくる)
(「気軽に慣用句で『根を張る』って言うけどね、根の張り方ひとつとったってみんなおんなじじゃあないんだよ」
とでも語ってきそうな根もと)
(怪鳥の足)
(木の名前は「プライド•オブ•ビルマ」。
急激に発展しエネルギーにあふれていたあの国は今どうなっているのか。
花が落ち地面が赤くなっているのが、献花のようにも血のようにも見えた)