めちゃくちゃ今更すぎるのですが…メモとしてまだギリギリ記憶にある感想を書いていきます。
恐らく台詞など間違っている部分があると思います。ネタバレ注意。
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この作品の全てが大好きという前提で、私が最も心惹かれたのは音楽でした。
軽快さと繊細さが共存した、モーツァルトのような雰囲気を纏った曲たちは今でも思い出すと涙が出てきます。ということで音楽を中心に感想を書いていきます。
全曲素晴らしいのですが如何せん1年以上前なので覚えている曲のみ、偏りは激しいです。
○モーツァルトの終わらない旅を感じさせる、作中根底にずっと流れているような『テーマ』『ラストテーマ』
テーマ曲のイントロは高い音を細かく刻んでいる中に木管楽器が短いパッセージをいくつか投げ込みそれに合わせて精霊たちが動いていました。その後歌い出しにつながるラインが登場だった気がします。
「始まる ときめき きらめき 今」でテーマの方はクライマックスを迎え、コーラスを抜けてエリーザの澄み切った歌声が残りますが、ここに余計なビブラートがかかっておらずとてもまっすぐな歌声でアウトロの清涼感、疾走感にぴったりでした。
2021年の日比谷音楽祭で音楽座さんがこのテーマを歌っていらっしゃいましたが、高野菜々さんもほとんどビブラートをかけていなかったと記憶しています。違っていたらごめんなさい。
この劇中ver.のテーマ曲があまりに好きで音源が欲しいのですがどこを探しても見当たらず…。上演決定時に買っておとした小室哲哉さんのアルバムはオーケストラver.で少し違うんですよね。こちらはより重厚感があり小室さんのピアノソロも相まってまた素敵です!
テーマが流れるプロローグと雪の降る街でスポットライトに照らされたエリーザ/モーツァルトの、まさに神に祝福された存在だという輝きは半端なかったです。その強い光が差す影を思うとエリーザの無邪気な笑顔にも、モーツァルトの解放されたような笑顔にも、変わらず周りでにこやかに舞う精霊さん達にも号泣。
○モーツァルトの作品のセンセーショナルさをわかりやすく表現した『NaNaNa!』
ポップにアレンジされたモーツァルトの名曲を贅沢に使ったメドレー!いやほんとに贅沢な使い方してました!名曲の「そこだけ!?」がたくさん笑
この曲を聴きながら、オーケストレーションも巨大になって演奏技法も作曲の意義も多様化した時代にモーツァルトが作曲できたらどんな作品が生まれたのかな〜とぼんやり考えたりしていました。
○お互いとの出会いでモーツァルトとサリエリの揺れ動く心を歌った『Love』
モーツァルトとサリエリの間にあるものは本当にLoveなのか?という段階で歌われるこの曲。
ライバルだと思っていたのに本人と触れ合って予想だにしない感情が湧いてきてしまったサリエリの戸惑いに、今後のモーツァルトとの関係性の展開を思い少し切なくなったりワクワクしたりと私も心が揺れ動いておりました!
この時点のモーツァルトはサリエリに対してどんな感情を抱いていたのか、歌唱シーンが記憶から薄れてきていてうまく思い出せず寂しい…。ただモーツァルトも初めて抱く思いに戸惑いながらも「僕は僕さ」と歌っていた姿をよく覚えています。
○モーツァルトが音楽との関係について初めて見つめなおす『パパどうして』
全てを打ち明ける前の微笑ましいやりとりから一転、コンスタンツェのなかば悲鳴のような叫び声と沈痛な表情でそれを見るモーツァルト。割と今まで性別について本気で悩む素振りがなさそうだったモーツァルトが、「なんでこんなのついてるんだよ!」と初めて自分が女性であることを恨むイントロ前のお芝居も心に残っています。
よりによって大切なコンスタンツェを傷つけてしまったことから、「自分の音楽は人を喜ばせるものではなかったのか?」とパパによってもたらされた自分と音楽の複雑な関係性について直視せざるを得ない状況になるモーツァルト。
このような心境を歌う場面なのに終始ほのかな明るさが感じられるこの曲。今自分で書き起こしていて気づきました。
何調とかは全然わかりませんが、この旋律に「パパ!」と縋るような叫びを入れるセンスすごい…天才の所業…。
○新しい自分と世界にワクワクいっぱいな『私はエリーザ』
めちゃくちゃ飛びました、すみません。
二幕冒頭から大暴れするエリーザによるこのナンバー大好きです!しかし「今までパパがいたから男装してたの?音楽を続けるためではなく?」という疑問は浮かびました。ここ、いまいち理解できてないから観直したい…。
ぐんぐん音階が上がっていくメロディ、ぴょこぴょこ踊る精霊さんたち、まだ所作が完全にモーツァルトのままな本人に、未知の世界に心躍らせるエリーザの高揚感が伝わってきました。
そもそも輪っかのドレスを着る明日海りおさんというだけで私は心がぴょんぴょんしまくっておりましたが!
この曲、「君は、モーツァルトだ」とシカネーダーの腕の中でモーツァルトが息をひきとる時にも流れていました。
解放?のモチーフなのでしょうか。
○モーツァルトとそれぞれの関係が大きく変化する『レシタティーヴォ』『旅』
サリエリとの関係が大きく動くのはこの前の演奏会とサリエリ宅での出来事ですが…。
音楽用語のレシタティーヴォ同様、「君はエリーザに恋してるの?」「まあそんなところかな」「音楽さえあればそれでいいの?」と歌で台詞が繰り広げられるシーン。その中で、サリエリの「そこがいいんだ!」、コンスタンツェの「少しは私の気持ちも考えて…。」など歌から逸れる一部の台詞の印象も強烈でした。
コンスタンツェに言われ、音楽以外のことに対して初めて目を向けたモーツァルトが歌う『旅』の導入部分は一幕の『パパどうして』と同じ旋律が使われていますが、『旅』の展開は歌詞通り雲が晴れるようなメロディが進んでいきます。
導入部分でモーツァルトが見て来た旅の風景とその中にいるモーツァルト自身が浮かび上がったところに、空から光が差すような「ふっと〜」のフレーズ後、「青い空〜」の部分で低音から上がる伴奏で足元に光が差すようなイメージが湧くこの音楽の運び方、完全に人間の感情の揺さぶり方をわかりすぎています。天才かな?
『パパどうして』では最後に盛り上がりが来ますが、この曲は旅の最後にコンスタンツェ、そして自分に語りかけるような歌詞で終わり。観劇していない人にはいまいちピンと来なそうな、歌詞の美しさも魅力的です。
○新たな時代の幕開けを感じるシカネーダーの『NEW WAVE』
繊細で美しい曲が並ぶ本作において異彩を放つこの曲!こ、これがかの有名な小室サウンド…!?
ダポンテが去り悲しみに暮れるモーツァルトの背後にリズムに合わせて登場するシカネーダーからもう「何か始まるぞ」感がすごい。シカネーダーと精霊さんたちのキレキレダンスも相まって、バイタリティに溢れたシカネーダーの人物像と民衆たちによる新しい時代の幕開けを感じられる曲です。こりゃモーツァルトも最高傑作を生み出しますわ…。
○全てが美しすぎる『朝焼け』
文字通り命を削って『魔笛』を完成させたモーツァルト、そんなモーツァルトを懸命に支え続けたコンスタンツェ。
「君がいなかったら、モーツァルトはいなかった」「わたし、あなたの音楽、大好き…」と、お互いを心から讃え認め合う2人を朝陽が照らします。
冒頭歌い出すモーツァルトは疲弊の色が見えますが、コンスタンツェとのデュエットから2人の歌声はだんだん力強くなってサビを迎えます。曲中2人はほぼずっと正面の朝陽を見つめていました。やっと2人同じ思いで同じ方向で同じ景色を見ることができたんだなぁ…と号泣。アウトロのハグからは、「普通の」夫婦生活では経験し得ない困難を乗り越え、夫婦ともパートナーとも友達とも違う特別な関係になったことを伺うことができて、また号泣。
そんな2人を照らす朝陽と、斜陽の命であるモーツァルトとの対比にも心を打たれました。
○旅立つモーツァルトへの想い『もう二度と…』
モーツァルトの遺体と2人きりになり、モーツァルトとの日々を振り返るように歌うコンスタンツェが印象的なこの曲。
「翼広げ飛んでゆくのね…」の部分、一音に一文字の日本語だからこそのポツリポツリ感が、モーツァルトと一緒に過ごした時間が誰よりも濃いコンスタンツェの悲しみを引き立たせていてとても好きでした。
ただ悲しみにくれながらも旅立つモーツァルトを送り出す歌詞が歌われているのが、自身も振り回されながらも時間をかけてモーツァルトを理解したコンスタンツェならではの曲だと感じます。
最後あたりが結構雑になってしまいました。思い出したら随時追記予定。
音楽以外にも「大切なのは、君がモーツァルトだということだ」や「君は誰なんだ…?」や「あなたに会えて、本当に良かった」など語りたいことはもっとあるのですが…!!
多少変更点はあるみたいですが、こんな素晴らしい作品が30年前に上演されていたなんて本当に音楽座ミュージカルは日本の宝だとMMを通じて思いました。他作品もそうですがやはり元々日本語で書かれていると歌詞も台詞も引っかかりなくスッと入ってくる気がします。国産ミュージカルならではですね!今年『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』を上演するそうなのでチケットが取れれば観に行く予定です。
正直演目解禁時に「また男役か〜」と思ったのですが本当に浅はかでした。
もっと観ておけば良かった〜〜〜!!!
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チケ難公演でもないし楽勝だろと行く気満々だったWAR PAINTのFC貸切に外れました。
これは精霊の守り人のFC貸切に行くための乱数調整だと思って耐えます…。明日海さんには是非人間賛歌的な作品をやってほしいと思っていたのでとても楽しみ。
最近はマリーの音域をさらりと歌っていたり、中盤で退場かと思っていた大病院占拠で結構キーパーソンの役をやっていたり、オタクの想像を遥かに超えるスピードでステップアップされているのだなとびっくりすることが多くて感慨深い…(後方彼氏面)