あの夜以来
フィリップを避けるようになった
彼を愛することの 辛さに
堪えられなくなったからだ
私が次に彼に会ったのは
旧友のブーム
(ブームとは
ヤングアダルト向けのダンスパーティーのことです)
ブームの主催者は
あのマチュー
2年前に付き合っていた
元カレだ
ヴィックなのかい?
暫く見ない間に 大人びたね
何て綺麗な女の子なんだ
女らしくなって 見違えたよ ✨
マチュー あなたもよ
すっかり 男らしくなって
別人かと思ったわ ✨
リセには行かずに
イギリスのホテル学校に進んだ
マチューは 経営学を学んでいる
まだ何も進路を決めていない
私とは大違いだ
真面目で努力家の彼なら
きっとホテル業界で成功するはず
マチューといると とても落ち着く
真面目な性格故の安心感からだろう
ワイルドで不良っぽい魅力の
フィリップとは対照的だ
私たちは
何故 2年前に別れてしまったのだろう?
久しぶりのブーム
13歳の頃に戻って
マチューとジルバを踊った
ノリのいい曲の途中で
悪戯好きの
ペネロープの妹
サマンサが
曲を ‥ あのバラードに変えた
コンサートで聴いた
フィリップとの想い出の曲
「Your Eyes 」だ
マチューと踊る
スローダンス
懐かしい マチューの匂い
背中に回された
彼の手の温かさ
何もかも あの頃のまま
懐かしさに包まれた
彼の ‥ そのすべてが 愛おしく
とても幸せな気持ちになれた ✨
フィリップの私を見つめる視線
悲しみとも 嫉妬ともとれる
その瞳は
マチューと踊る
この私を じっと見つめている
次の瞬間
眼を開けると
そこには 別の女と親しく話す
フィリップがいた
マチューの姉
イザベラを夕食に誘いに
彼女の友人たちが現れた
ブームだぞ 何だか懐かしいなぁ〜
ダンスを踊る私たちを見て
そう懐かしむように言った
イザベラの友人の青年は
やがて 皆の前で
ピアノを弾き始めた
美しい旋律に惹かれるように
歩いて行くと
既に何人か
女の子たちがピアノの前に集まっていた
ピアノを演奏中の
甘いマスク
知性と教養を感じさせる
その瞳は
この私を ‥ じっと見つめている
演奏が終わると
彼は私に声を掛けてきた
これから R&Bを聴きに行くんだけど
君も来ないかい?
悪いけど
今夜は駄目なのよ
それじゃ 別の日は?
リセは5区のアンリ・キャトルだろう?
学校まで迎えに行くよ
知性と教養を兼ね備えた
フェリックスは
今まで付き合ったことのない
年上の男性だ ✨
あの夜から
フィリップとの進展はないんだろう?
もう 別れたのかい?
マチューとは どうなったんだい?
お前とマチューは
お似合いのカップルだと思っていたんだけどね
2年ぶりに再会したマチュー
逞しく成長した彼は
とても魅力的だった ✨
でも ‥ 彼とのことは
もう終わったことなのだ
マチューは休暇を終えて
イギリスに帰ったわ
遠距離恋愛は嫌なの
私は曽祖母に そう答えた
それじゃ 25歳の
男前のピアニストは どうなんだい?
フェリックスのことね
彼の本業はソフトウェアエンジニア
彼は私よりも うんと年上だし
私からは 電話なんかしないわ
そのフェリックスが
約束通り 学校まで迎えに来てくれた
その様子を
通りの反対側から
じっと伺うフィリップ
彼はこの前のブームで知り合った
ミシェルを迎えに来ていた
彼女は私の同級生だ
噂では
二人は もう既に付き合っているらしい
カトリーヌと切れたと思ったら
もう ‥ 次の新しい相手 💦
女に手の早い
ドン・ファンな彼と
あの時 もう逢わないという
決断をしたことは
結果的に良かったのかもしれない
今度の土曜日 空いてるかい?
食事に行こう
これから 家まで送って行くよ
そうね ‥ どうしようかなぁ〜
フェリックスは 紳士的で洗練されていて
優しいひとだとは思う
でも ‥ フィリップの見ている前で
デートの返事をするのは
気が引けた
フィリップに はっきりと別れようと
言った訳ではないし
彼の気持ちを まだ聞いてもいなかったからだ
だが ‥ その時 仲睦まじく
ミシェルの肩を抱いて
私の眼の前を横切って行く
フィリップが視界に飛び込んできた
やっぱり 二人は付き合っているんだ
あの噂は本当で
これが フィリップの
私への ‥ 答えなのだ
私は ‥ もう迷うことは止めて
フェリックスの車に乗り込んだ
フェリックスは 時々
仕事の合間に電話をくれた
その度にデートに誘われたが
理由をつけて断った
私はフィリップとは違う
関係が拗れて 別れた腹いせに
好きかどうかも 分からない相手と
デートをするような
そんな浅はかなことは したくない
彼との恋に
時間と神経を費やして
学校の成績も落ちてしまった
恋などしている暇はない
しっかりと勉強をして
両親の信頼を取り戻さなければ
失恋の痛手から
立ち直って
家族の信頼も回復しようとする
私の前に
愛する父との
別れが ‥ 迫っていた ‥‥
物語は ‥ いよいよ大詰めを迎えます
ラ・ブーム 2
次回へと ‥ 続きますね ✨


























































































