脳がとろけるような暑い日が続きます。
俺は昨日、我々にとって夏の風物詩とも言える川口氏にTシャツを返しにまだ深夜とも言える朝の8時に家を出ました。
8時30分に志木駅にて待ち合わせ
珍しく5分前程に駅についた俺
南口には姿が見えないので
川口氏に電話をしたんです。
するとまだついてないという事で
到着次第連絡すると言う言葉を頼りに
俺は一人、朝の騒がしい駅前で適当な場所に腰掛けていました
以外にも学生が多く、
我が校の制服も幾つか見かけました
その中で迅雷と化したかのような自転車がこちらに向かってきたんです
見覚えのある顔、制服。
勝俣でした、しかし勝俣は俺には気付かず駆け抜けて行きました
少しすると川口さんから電話が、
「ごめんね、いまついた!
それでどこにいるのかな?」
「いま、南口です、川口さんどこいますか?」
「俺はいま北口かな!」
「わかりましたではいま向かいますんで!」
そして南口から東口に向かい、
ふと気付いたんです。
・・・志木駅に北口ってあったっけ?
かれこれ三年間程学校帰りに寄り道した志木駅
しかし、北口に出くわした事なぞ記憶にない・・・
いったい、川口さんは何処に!?
俺は走り出していた、
川口さんは、志木市役所に仕事で行くついでにTシャツを受け取るのである。
つまり俺がTシャツを渡しに行かない限り川口さんは動けない
それは川口さんの遅刻へ繋がる
俺は川口さんの威厳と自らの信頼を守る為
柄にもなくドラマの様に志木を走りまわった
赤茶頭の男は凄い形相で走りまわった
大地は震え、雷鳴轟き、
全ての生物が心臓をもぎ取られたかのような幻覚に襲われた
そこにいるのは恐怖の大王
この世の常識など微塵も受け付けない
探せど探せど川口さんの姿は見えない
俺は一度川口さんに電話をしてみた
「(ゼェゼェ)川口さんどこですか?」
「え、だから北口…バスのターミナルがある所に…」
川口さんに恥をかかす事など出来ない俺は、北口が存在しないなどとは口が裂けても言えない
「・・・なる程、ターミナルですな」
しかしターミナルと言ってもピンとこない俺はどうしたものかと一人絶望にくれていると
はっとね、
気付いたんです
志木駅を走り回っている時に、
スーツを着たふくよかな男が道ゆく人々に挨拶をしているのを・・・
ドラクエだったら確実に
「ボボボーボボ、ボボボー」
奴がこの志木の統括者と確信した俺は
男の元に走った、
居た!居たぞ!!
俺は奴に向かって全力疾走
そして、息を切らしてこう訪ねたんです
「ターミナルは・・・どこ、でしょう・・・」
志木の統括者はやはり器がでかい
「・・・あちらです」
(・・・ボボボー)
俺は一礼すると指差す先に向かい走り出した
男の胸には
「民主党」
と書かれたバッジが輝いていたのだった
ターミナルにつき、川口さん発見。
「ごめんね、わざわざこれ返すだけにこんな朝早くに」
「いんですいんです!
持って帰っちゃったのは俺だし
すいませんね今年はちょっとだらしなくて、迷惑かけてしまって」
「そんないいんですよ!
あ、もうバス出るんですいません!
ありがとうございます!
おつかれさまでした!」
相変わらず気持ちいい人だなと思いながら川口さんと別れた・・・
もう来年の夏まで会えない訳であって
去年は給料手渡しだったからみんなで打ち上げとかあったけど
なかなか切ないものですよ