今月の7月3日から日本では20年ぶりに新しいデザインと最先端の印刷&偽造防止技術を取り入れた
新紙幣が導入されました。
※新札マニア(旧紙幣の時代から銀行の窓口や両替機で古い/汚いお札を新札に変えるのが習慣!?)の母から
頂いた新紙幣の写真。
(テイクアウト専門寿司大手チェーン店「京樽」の西葛西店で新札の一万円札で払ったら、たぶん初めて新札の一万円札…
しかもキレイな新札だったので、ジロジロとお札を眺めていたそうです。綺麗すぎるから、偽造かな?とも思ったのでしょうか?)
新しい一万円札は誰々…
とった凡庸な情報を載せても、
既にテレビ番組(バラエティ~ワイドショー)などで
取り上げ、みなさん知っていることだと思うので
ここでは取り上げません。
それよりも
昭和五十八年生まれ。
幼稚園児の頃、
おばあちゃんちの赤いブラウン管で
日曜日に早起きをすると…
「タ~バ~、タバタラリラ、タラララン。ラーン、ラーラーララララーン。
タバダ~バーダバダバー。タラララン。チャーチャラ、チャラリラ~~ン。」
という音楽が流れて
(「恋人たちのバラード/Danielle Licari」という曲のようです。)
昭和天皇のお顔を拝むことができる。
(当時の幼稚園児の私には、「やさしそうなおじいちゃん」という印象でしたが…)
そして、皇族方がどこどこでご静養されたとか、
昭和天皇さまが皇后さまとどこどこの山を散策されながら、ご専門の植物観察をされている・・・等々の
「幸せそうな家族」のご様子を拝察することができる。
そういう心象風景を持つ幼稚園時代を過ごし・・・・
平成元年=小学生1年生という
平成時代に少年期~中学・高校~大学時代を過ごした
40代前半のオジさんだからこそ、書ける!いや書きたい!と思う
旧紙幣のお札の顔だった人物について記そうと思います。
■夏目漱石(千円札・1984~2007年)
「夏目漱石」というと、個人的には
「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「こころ」・・・などの
明治~大正時代の小説家といったイメージでした。
しかし、30代くらいになって・・・
彼は小説家となる前に「英語教師」として
東京帝国大学で勤めていた!
ということを知りました。
そして、
「I love you.」を
「月がきれいですね。」
と訳したというエピソードを聞いて
面白い発想というか、卓越したセンスの人だったんだなぁ~
と感慨にふけりました。
明治の当時の知識人がスゴかったのは、
外来語である英語を現代の
ストラテジー(戦略)やダイバーシティ(多様性)、
ソーシャル・ディスタンス(直訳すると…社会的距離感?!/英語的にはPhysical Distace?!が正確。)
などのカタカナ言葉に直訳するのではなく、
その意味をよく調べて、中国由来の「漢字」に当てはめる。
という「意訳」・・・・・
創造的で知的かつ漢字にも英語にも精通した上で最適な文字を選ぶという“感性”を必要とされる作業を行った、
という偉業があります。
よく言われるのは
中華人民共和国という国がありますが…
英語の"people"を「人民」と翻訳したのも
英語の"republic"を「共和国」と翻訳したのも
明治の日本人なのですね。
中国は、イギリスとのアヘン戦争で
宮廷=朝廷に使える宦官などの知識階級もみなアヘン中毒で
機能不全の状態でしたから、
アヘン=人間の魂を吸い取る?ダメにする猛毒という認識を持っていた
幕末の人々は、鎖国と称されるが世界を知っていたし・・・
その後に続く明治の日本が近代化=機械、工場や鉄道、電気・水道・ガス、といった
産業の発展、生活の利便化という、いわゆる物質的な側面が取り上げられがちでしたが、
その前提=科学技術や近代的な「自然科学」(物理・化学・生物・地学の基礎から、工学・技術・医学・薬学などの実学=実践できる学問)
「人文科学」(実学としては経済・法律・政治など、文学、世界史~日本史、地理など)の日本における基礎を築いたのは、
名もなき明治の「翻訳家」だったのです。
※同じアジアでも、東南アジアの高校~大学では「英語」でこれらの高等教育を受けます。
母国語で専門用語を読むということが不可能だからです。
日本では、「素粒子」=Minute Particle や 「細胞」=Cell という風に
専門用語でも日本語で解説されえますが、これは明治以降続く日本の学術界の特徴です。
例えば・・・
iPS細胞(Induced Pluri-potent Stem Cells)=人工多機能性幹細胞
や
STAP細胞(Stimulus Triggerd Aquisition Pluri-potency Cells)=惹起性多機能性幹細胞
などの専門用語も
一般的には「アイピーエス細胞」や「スタップ細胞」と呼ばれいていますが、
どういった細胞なのか?ということを知っている人には、英語でこのように表現するときの頭文字なんだなぁ、
ということで認識している日本人も少なからず、いるはず!と思ってます。
(何%ぐらいいるのか?は街頭アンケートやネット/X(旧Twitter)のアンケート投票をしてみないとわかりませんが…)
クールビズやソーシャルディスタンスなどの流行語を生みだした
小池都知事がカタカナ横文字英語を使う気持ちも個人的にはわかります。
カタカナ英語の方が「カッコいい!」という世代的な(昭和の)感性もありますが、
それを的確に表す日本語がない=英語圏にしかない「概念」(コンセプト)だからだ!という思いがあるのではないでしょうか?
※「アウフヘーベン」という言葉だけは、一度テレビで解説を聞きましたが、いまだどのような概念なのか?ハッキリとわかりません(笑)。
一般のテレビやネットニュースを見る大多数の日本人にとっては、
小池都知事がそのシンボルなのかもしれませんが・・・
外資系の会社に勤めるビジネスパーソンにとっては、
似たような経験がよくあることなのではないかなぁ?と推察します。
※個人的には、外資系の会社で勤めた経験も友人にそのような人がいる…など経験はないのですが、
「ビジネス英語」というジャンルの英語本が多々あるので・・・
昭和のイケてる=若い知識人、というと
小説家でもあり政治家~衆議院議員でもあった故・「石原慎太郎」氏も
著書や政治系の言論雑誌などで頻繁に?というか「オシャレ=お洒落に」カタカナ英語を使っていたなぁ~
という印象があります。
■新渡戸稲造(五千円札・1984~2007年)
「新渡戸稲造」というと
職業/経歴としては「国際連盟事務次長」という華やかな肩書が有名?ですが…
個人的には、英語圏に「武士道/Bushido」という著作を発表して
欧米では、キリスト教=Christianityやユダヤ教=Jewish、あるいはイスラム教=Muslimという
宗教(思想)が社会を支える伝統的/精神的な支柱になっているが…
日本には、神道・仏教という伝統宗教はあるが…一般の日本人(幕末~明治~大正)にとっては、
「武士道」というSpirit(スピリット)=精神が日本の社会を支える、日本人の精神にとって支柱となっている
思想なのだ!ということを訴えた、ということが真の偉業なのではないかなぁ~と思ってます。
新渡戸稲造が「武士道」を書き始めたきっかけは、欧米人の友人に「欧米には「キリスト教」という倫理(Ethics)があるのが…
日本人にとって最も一般的な“倫理(Ethics)”って何があるんだい?」と聞かれたことだ、と何かで読んだような・・・。
欧米でも「騎士道精神」というものがありますが、それとは異質な
日本の武士(Bushi)=侍(Samurai)に伝わる「武士道精神」というもの・・・
(彼の著作『武士道/Bushido: The Soul of Japan』)は欧米人にとっては、
とても衝撃と驚きと感動をもって受け止められた!ような解説をどこかで読んだのか?聞いたのか?したことがあります。
今、パリ・オリンピック(Paris Olympic Games -2024-)で「柔道」で日本人の誰々が金メダルを取った!とか
残念・銅メダルだった!とかニュースでやっています。
審判の質が低く、相手の首を絞める「締め技」を『待て!』といっても何秒も続けた、という柔道・銅メダリストのシーンも
オリンピックが好きな?昭和世代の伯母や父から話を聞きました。
柔道の審判は、新渡戸稲造の「武士道/Bushido: The Soul of Japan」を読むのを必須科目にしていただければ良いのではないでしょうか?
そういう問題でもないのかな???よくわかりませんが・・・・・
日本古来の武道には、柔道だけでなく剣道もあります。
日本人がフェンシングで始めて金メダルを取った、というニュースもそういえば見ました。
日本では剣道、欧米ではスポーツとして進化を遂げたのは「フェンシング」なのでしょうね。
※※※
「ペンは剣よりも強し/The pen is mightier than the sword」という西洋のことわざ?をシンボルとして持つ学園に在学していたのですが、
「なぜ、ペンは剣/ソードよりも強いのか?」ということについては、
また別の機会に譲りましょう。
(稀代の投資家であり投機家である「〇〇〇〇・〇〇〇」について…その光と闇…というテーマの記事を執筆予定。その中で独自に解説します。)
■福沢諭吉(一万円札・1984~2024年)
「福澤諭吉」というと
慶応義塾大学創設者(慶応では幼稚舎から大学まで「先生」=「福沢諭吉」というのは有名な話?)であり、
「学問のススメ」という当時のベストセラー作家。
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」という名言で有名です。
Wikipediaによると、
福澤 諭吉(または福沢 諭吉、ふくざわ ゆきち、旧字体:福󠄁澤 諭󠄀吉、天保5年12月12日〈1835年1月10日〉- 明治34年〈1901年2月3日〉)は、
幕末から明治期の日本の啓蒙思想家、教育家。慶應義塾の創設者。
とあります。
単なる「思想家」ではなく、
「啓蒙思想家」というのがミソだな!と思いました。
『啓蒙』とは・・・
「啓」=ひらく
「蒙」=暗い状態
という意味で
英語の「Enlightment」の翻訳だったと思います。
※世界史の授業で「啓蒙思想」というのが出てきたと思いますが、
啓蒙思想=Philosophy of Enlightment
です。
ちなみに、
Enlightment=光明を得る=(仏教でいう)悟りを開く
という翻訳もあります。
啓蒙思想 英語でgoogle検索すると、
◇Wikipedia
啓蒙思想(けいもうしそう、英: Enlightenment、仏: Lumières、独: Aufklärung)とは、理性による思考の普遍性と不変性を主張する思想。
◇英辞郎
アメリカ啓蒙思想 the American Enlightenment〔アメリカ合衆国建国時に広まった啓蒙思想。〕
という表面的・表層的な情報しかありません。
しかし、
En(~する、させる)
+
Light(光)
+
Ment(名詞化)
ですから、
『(知性=思考や魂を)光らせる事』
というのが、本来の意味であり英語の語感ではないでしょうか。
ちなみに、テレビでサンドイッチマンと芦田愛菜ちゃんがやっているバラエティ番組「博士ちゃん」?
で福沢諭吉のトンデモ?!びっくり仰天エピソードを知りました。
それは、神社のお札でトイレの大をした後におしりを拭いて
罰が当たるかどうか?試した・・・という逸話です。
いわゆる伝統的な思想や発想に“とらわれない”=自由な発想の魂の持ち主だったようです。
しかし、「神仏」を大切に敬い、先祖代々の教えを守る・・・という日本人の伝統的倫理観を壊し、
明治以降…大正、昭和、平成、そして令和の現代まで続く
「拝金主義」的な大人~日本人を作ってしまった元凶という批判もある、という話をこれもまた30代後半になって知りました。
Wikipediaをサーっと目を通しましたが、さすがにこのエピソードは載っていませんでした。
一万円札の肖像=日本人にとっては最も大金である「一万円札」という紙幣の象徴が
福沢諭吉から日本の近代資本主義のシンボルであり実業家であった「渋沢栄一」に変わったことは、
スピリチュアルな意味で(霊的に)意義深いことなのではないかなぁ~
と勝手に思っています。
※余談ですが、
旧千円札=野口英世
新千円札=北里柴三郎
ともに医学の道を歩んだ人。
(野口英世は、黄熱病にかかって51歳の若さで逝去。
死の3日前まで「黄熱病」の研究に取り組んでいた、
という歴史的事実が美談として伝わっている。)
(北里柴三郎は、78歳まで生き…
府県の医師会を統合して大日本医師会を設立、会長に就任する。(63歳)
慶應義塾大学部医学科の創立に尽力し、学長となる。(64歳~75歳まで)
日本医師会を創設。初代会長に就任する。(70歳)
1931年(昭和6年) - 6月13日5時、脳溢血のため東京・麻布の自宅で死去。享年79(78歳没)。6月17日、青山斎場で葬儀。青山墓地に葬られる。
という「日本の医学界~医療業界の先駆け」というフレーズがぴったりの人物のようです。
写真も晩年に撮られたものなのでしょう。
野口英世は瘦せ型なのに対し(41-2歳頃の写真が千円札の肖像の元になっているとか)、
恰幅のいいメガネの男性という風貌ですね。)
旧五千円札=樋口一葉
新五千円札=津田梅子
ともに女性。
(樋口一葉は、小説家。
「24歳で肺結核により夭逝した」とのWikipedia情報…初めて知りました!)
(津田梅子は、津田塾大学の創設者。女子教育の先駆け的存在。
「日本初の女子留学生の一人で、女子英学塾(現:津田塾大学)の創設者であり、日本における女子教育の先駆者と評価される。
また、欧米の学術雑誌に論文が掲載された最初の日本人女性である。」とのWikipedia情報…なるほど、ナルホド、成る程♪♪)
という共通項がありますね。
【追記】2024.08.02
啓蒙思想の
「啓」=ひらく
「蒙」=暗い状態
と記しましたが、
「蒙」という漢字を使った言葉に
『無知蒙昧』という四字熟語があるので
改めて、調べてみました。
google検索によると
デジタル大辞泉 「蒙」の意味・読み・例文・類語
・・・道理をわきまえず、愚かなこと。 無知なこと。
ということのようです。
”知性が…魂が暗い状態”
=道理をわきまえず、愚かなこと。 無知なこと。
というのは、キリスト教的でもあり仏教的でもあり・・・
世界共通の概念=コンセプトかな?
と思いました。