こんにちは。

 

今日は赤ちゃんの皮膚トラブル「おむつかぶれ」についてです。

 

 

 

赤ちゃんのおしり、かぶれますよね?

 

赤い、ぶつぶつ、かゆそう、痛そう。。特に夏はむれて悪化します。

 

 

いろんな対策をとったり、薬を試したり。

 

ワセリン、アズノール、亜鉛華軟膏、ゲンタシン、ロコイド、エキザルベ、リンデロンなどや馬油、様々な薬を持参してみなさん受診してくださいます。

 

(ちなみに、ワセリン、アズノール、亜鉛華軟膏はただの保護剤、ゲンタシンは抗菌薬、ロコイド、エキザルベ、リンデロンはステロイドと理解しておいてください。正確には少し別の成分が合わせて配合されていたりもしますが、おおよそこの理解で大丈夫です。)

 

ぬってもぬってもなかなか治らない、じゅくじゅくしたり、皮むけしたり、保育園でも大変そうだったりと、とてもとても悩みますね。

 

 

今日はあまりみなさんがやっていない、大事な対策をご紹介します。きっと良くなりますよ。

 

 

まず、大前提として、本当におむつかぶれかどうかです。というのは、おむつかぶれとよく似た陰部の赤みが出る病気があります。

 

カンジダ症(つまり、カビ)や乾癬(かんせん)などです。

 

これは正直見ただけではわからず、皮膚科で皮むけの皮膚を少しもらって顕微鏡で見たり(皮むけの皮膚をもらうので、痛い検査じゃないです!)や経過を見ないとわからないこともあります。

 

 

 

 

①おむつかぶれは、おしっこやうんちなどがむれた状態で皮膚につき続けることで、その刺激で赤くなる状態です。

 

②カンジダ症は、皮膚にカビがついて、むれた中で増える状態です。

 

③乾癬は今のところ明らかな原因はわかっていない、赤く、皮むけする状態です。なる確率は低いといえます。

 

 

今日は①についてです。

 

では大切なポイントをお教えいたします。

 

みなさん、足りていないことがあります。だから治らないのです。

 

 

 

それは、、、

 

保清です。

 

ほせい、と読みます。

 

 

つまり、薬をぬったりいろいろする前に、汚れが落ちていないのです。

 

おしっこやうんちがついている状態で薬を塗り重ねても良くなりません。

 

みなさん、絶対的にお湯で洗うという作業が抜け落ちています。

 

 

 

 

やっていただきたいことはただ1つ!!

 

頻回にお湯で洗い流すことです。

 

石鹸は使いません。石鹸を使うのは1日1回、しかも固形石鹼(透明な石鹸)にしてください。

 

 

 

うんちが出たら、できるだけおしりふきで拭かず、おむつを取ったらそのまま洗面所やお風呂場に連れていき、ぬるめのお湯で手で洗い流してあげてください。絶対にこすりません。こすると逆に悪くなります。

 

ひどいときは、痛がらなければ、おしっこの時もたまに洗い流してあげてください。特に寝起き(朝は絶対)は、おむつを変えるのと同時にお湯で陰部を流してあげてください。

 

 

考えてもみてください。おむつの原理を。

 

おしっこが出ると、それはおむつの中に一旦まき散らされるのです。それをおむつが最終的に吸収しています。つまり、陰部は広くおしっこがついたまま過ごしていることになります。また、太ももの付け根部分は皮膚がぴったりくっついていますから、特にむれて赤くなりやすいです。

 

 

 

うんちも同様です。大人と違って、広くおしり全体にうんちがついてしまうわけですから、それをすぐによく流してあげないと真っ赤になります。できる限り、すぐにうんちは変えましょう。また、おしふきでゴシゴシこするのは絶対にやめてください。こするという行為だけで肌は赤くなりますし、荒れます。また、おしりふきにも、腐らないようにするためにいろいろな化学物質が入っています。袋の裏をよく見てみてください。おしりふきも万能ではありません。

 

 

 

ここまでをまとめます。

朝は起きたらすぐにおむつを変えて、お湯で洗う。

うんちが出たら、すぐにおむつを取って、お湯で洗う。

こすらない、石鹸は基本的には使わなくてよい。

 

 

 

そして、洗うだけでは乾燥する一方ですから(生後3か月の赤ちゃんは人生で1番乾燥肌です。子供の肌は乾燥しているのが普通です。以下参照↓)、保護剤を塗ります。


 

 

ここでも、とてもとても大事なポイントがあります。

 

荒れている肌は、塗った薬の成分を異物と思い込み、その後ずっとかぶれを作ってしまうことがあります。

 

つまり、おむつかぶれの肌には、あまり何も入っていないものを塗るほうが安全です。

保清ができれば良くなっていくわけですし、ダメージがきている肌にいろいろ塗るほうがかえって治りません。

 

 

私のおすすめはワセリン、プロペトです。どんな肌に何回塗っても、たとえ口や目に入っても大丈夫です。

 

・アズノールは、アズール酸という成分が入っており、炎症を引かせる効果があるのでよく使いますが、このアズール酸で逆にかぶれてしまうことがありますので私は避けています。

・クリーム(なんでも)は、荒れている肌には基本的には塗りません。揮発性があるため、しみたり、悪化します。

・パウダーは、むれはとってくれますが、皮膚を保護する作用はないので、パウダーの中の成分にかぶれないか心配です。

 

すりこまず!のせるようにして優しく塗りましょう。

すりこまないことに関しては以下を絶対参照してください。


 

 

赤み、痛み、かゆみなどがあれば一時的にステロイドを塗ります。少し良くなればやめても構いません。そこは近所の皮膚科とご相談されてください。

 

 

ちなみに、②カンジダ症はカビによる皮膚炎ですので、ステロイドを塗ると1,2日は良くなりますが、1週間も塗り続けると逆にカビが増えて悪化します。治療は抗真菌薬をぬることですので、ご注意ください。

 

 

 

 

さらに、保育園ではどうすればよいか、という質問をよく受けます。

 

保育園や預けている場合は、どこまでこの保清をしてもらえるかにかかっています。

ですが、保育園もたくさんの子供を同時に見ているので、1人1人に長い時間がさけません。うんちの際はお湯で洗い流す、またはあたためたタオルでふく(絶対こすらない)くらいならお願いできないでしょうか。

私はあまりに皮膚炎がひどいときは、診断書を書いて、保清についてお願いしています。ひどくなると飲み薬(抗生剤や抗アレルギー薬)が必要となることもあるからです。

 

 

 

まとめます。

 

おむつかぶれを良くする方法は、ただ1つ、保清です。薬は補助的なものです。

うんちが出たら、ゴシゴシ拭かず、お湯で手で洗い流す。おしっこもむれていそうだったら、お湯で洗う。

 

そして、保護剤を塗る。適宜ステロイドを使って本人のかゆい、痛いをとってあげる。

 

預ける場合は以上をよくお願いする。

 

 

 

夏は汗でむれ、冬は寒いので冷やさないためにもちょっとおむつ替えの頻度が落ちる傾向にあります。

まめにおむつをかえ、汚れを洗い流してあげてください。

そうすると、すごいスピードでおむつかぶれは治りますよ。

 

何かのお役に立てれば幸いです。