| 幸福論という本を借りて読んだ。 |

| いろんな人が幸せとは何ぞや?を語っていた。 |
| 正直読む前から予想していたような話が多かった。 |
| ちょっと感動したのが萩本欽一さんの話だった。 |
| この話を1つの話、1冊の小説にできたら |
| とても良い話になりそうだと思った。 |
| いや、短いからこそいろいろ想像が膨らんで |
| 感動するかもしれない。 |
| こんな話でした。 |
| 小学校の修学旅行のとき母は言った。 |
| 修学旅行は行ったほうが良いよ。 |
| 一生の思い出になるから行ったほうが良いよ。 |
| でも僕は行かない事を決めていた。 |
| そんな余裕がない事をうすうす知っていた。 |
| 悲しいとは感じなかった。 |
| 辛いとも思わなかった。 |
| それどころか、子ども心に |
| 親孝行しているんだという、 |
| 小さな幸福感さえあった。 |
| 父の事業が失敗して、貧乏な少年時代だった。 |
| それでも僕は不幸せだと思った事はない。 |
| 小学校しか出ていない父。 |
| 少ない言葉だけど、精一杯の心を込めてくれていた。 |
| お金はないけれど、「修学旅行には行ったほうが良いよ」と |
| 本気で言った母。 |
| そんな両親に包まれて、僕はとても幸せだった。 |
| 幸せとは形じゃない。 |
| 幸せとは気分だと思っている。 |
| いつも幸せな気分にしてくれる父と母がいて、 |
| 兄弟がいて、友達がいた。 |
| だから僕は、ずっとずっと幸せだった。 |