男はデジカメのカタログの前であぐらをかいていた。

ずっと欲しいと思っているのである。

何しろ男はデジカメを使った事がないので、

選び方に苦労している。

すごい機能はいらない。

けど何でも良くはない。

カタログを見て、知らないなりにも希望はあった。

男は希望することを書き出してみることにした。

1.400万画素以上
(そんなにもいらないのかもしれないが)

2.モニターは2.0型以上
(そりゃ大きいほうが良い)

3・薄い、コンパクト
(そりゃ小さいほうが良い)

書き出してみるとこれだけだったのが自分でも意外で、

男は苦笑した。

「手振れ防止とか機能はそんなに変わらんだろ」

と自分を納得させ男はこの条件でデジカメを探した。

たくさんありすぎた・・・。絞れてない。

男は乳首のない牛を想像して笑った。

そうか、では条件追加だ。

4.メーカーは有名で信頼できそう

5.色、デザインはお洒落な方が良い

6.同じような商品なら安い方で良い

そしてまたカタログを見直した。

選択肢は減らなかった・・・。

また絞れない。

今度はマナカナと合コンする自分を想像したが、

男は愉快な気分にはなれなかった。

しかも男は逆条件があることも最初から念頭にあった。

逆条件とは購入の選択肢を広げる、男にとって嫌な条件である。

1.ヤフオクで買っても良い

2.昔のモデルでも構わない

である。

こうなるとまた大変だよなぁと男は頭を抱えた。

というのは嘘で、1度落ち着くためベッドに横になった。

落ち着いて頭を整理しようと思ったはずの男だったが

すぐに寝てしまい夢を見た。

自分がのび太になっていて、

しずかちゃんが実は6つ子だったという夢だった。