冴えない彼女の育てかた(全巻) 読了 | web開発者(見習い)のブログ

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本日、発売した「冴えない彼女の育てかた」の13巻を読み終えました。

この本は第1期のアニメ化から直ぐに読み始めたので、約2年半に渡り楽しみに読んできました。作者の丸戸さんお疲れ様でした。

この記事では13巻の感想というよりも、なぜ「冴えない彼女の育てかた」にハマったのかを振り返って書いていきます。

途中ネタバレも含みますがご容赦下さい。

 

 

1. メインヒロインが良かった

この作品ではわりと序盤で加藤とくっつくよねというのは予想できました。どうなるか分からないというハラハラよりも私の場合は安心して読むことが出来たのでこれは良かったです。

加藤というキャラはこれまで強い個性が多いライトノベルにおいて、属性を極力排除したフラットなキャラでした。そして、そのキャラが私にとって常に半歩先をいくキャラでした。通常ライトノベルを読んでいるとキャラの属性があるため思考や行動が読めてしまうことが多いです。しかし、加藤というキャラは予想を超えすぎす、かと言って予想通りでもなくというのがいい塩梅で非常に面白かったです。

いつも平坦な感情のキャラのため、時には嫉妬心メラメラの心情がコントラストとなっていつしか親しみやすいキャラになってました。このリアルな良い子そうで、良い子でも無いキャラというのは男性向けの漫画・ライトノベルでは見ることがなかったので新鮮でした。

恐らく、「加藤恵」以上に好きになるヒロインキャラは今後私の中で出てこないと感じています。宿命・信念・ドラマという重い出来事が加藤恵にはありません。しかし、フラットな感情で主人公へシンプルに好意を抱くこのヒロインは人を好きになるのに理由は要らないということを再認識させてくれました。

 

2.天才と凡人とそしてプロ

この作品において恋愛面を除き丸戸さんが伝えたかったメッセージはなんだろうと考えました。

あいにく丸戸さんが明示的に示しているところはありません。ただ、本を読み進めていくと私は「天才と凡人とそしてプロ」というのがしっくりきました。

この作品を読んでいくと、天才達(英梨々、詩羽、紅坂など)の作品に人々が熱狂していきます。そしてまた主人公自身がその天才達を崇拝しその才能に嫉妬することでより天才達の才能がより際立ちます。しかし、天才はやっぱり天才で凡人とは違うなという感想よりもむしろ天才だけでは難しいんだなと感想を持ちました。

この作品では天才達を支える凡人(主人公、恵など)がいなければ、ゲームの発売は難しかったでしょう。凡人達がサポートすることで作家自身の力が発揮出来ていました。そして、プロです。天才は自分のエゴを貫き通し人々を魅力する、反対に自分のエゴを抑えこんだとしても人々を魅力する人と定義します。

この天才とプロはどっちがいいというのでもなく、ただの役割の問題です。

ただ最終巻において英梨々が出海ちゃんをサポートしたり,紅坂が主人公を正社員に勧誘するシーンがありました。実はこの作品で一番私がキャラの成長を実感したシーンでした。大きな才能を持つ人は誰かに信頼し任せるというのが苦手です。しかし、大きなことをなすには誰かの協力無しでは到底叶いません。天才と言えども自分一人で全てをやるには時間の制約もあり出来ません。

そういう意味では伊織というキャラは最初から最後までプロのキャラで一番ブレないキャラでした。

そして、加藤恵も同じようにプロでした。若干、主人公絡みで色々ありましたが大きな目標に対してしっかりと前進していくキャラでした(恐らく、伊織と加藤恵の仲が悪いのは同属嫌悪だからでしょう)。私が加藤恵のというキャラがもう一つ好きな点としてプロとしての振る舞い、天才達に決して卑屈にならない姿勢でした。

長々と書いてしまいました。つまり、丸戸さんが伝えたかったメッセージとしては「作品というのは強烈な天才とそれを支えるプロ(凡人)によって支えられている」という風に私自身は解釈しました。

 

終わりに

何年間も応援していた作品が終わるのは寂しいです。ただ、この作品を出会えたことに何よりも感謝してます。丸戸さんにはぜひ機会がありましたら成長したキャラ達の外伝作品を発表して欲しいです。