いじめられたヤツに数年ぶりに会った。 | おどろき、おもしろ動画、画像

いじめられたヤツに数年ぶりに会った。

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ちょっと面白い経験をした。彼女と二人でファストフード店に入ると、レジの向こうに立っていたのは、中学生のときにオレをいつも殴ってメンコを取り上げていたヤツだったんだ。

そいつの口から最初に出てきた言葉は
「おい、オレが殴ったうちの一回を覚えてるか?」だった。
オレは作り笑いをして答えた。
「ああ、覚えてるさ。だけど 10年経ってファストフード店に入ったら、ハンバーガーをひっくり返してるお前に会ったっていう、その1回も覚えておいてくれ…」

多分あいつはオレをもう一度殴りたかっただろう。もちろんレジの向こうにいたから、からかうことが出来たんだが、もしもあいつがオレのバーガーを作ってたらなら同じことはしなかったな。


・似た様なことがあったな。小学校のとき僕の胸をパンチした奴がいた。小学校2年生くらいだったが僕は忘れなかった。彼も忘れなかったらしい。16歳の頃、高校のマイナーリーグの試合で彼に出くわした。彼を見たらその時の記憶がフラッシュバックしてきた。
 声をかけると、彼は「ウッディ先生のクラスでオレが殴ったのを覚えているかい?」と聞いてきた。「ああ、覚えてるよ」と返すと、彼は「あれはひどい振る舞いだった、よかったらオレを今殴ってくれないか」と言い、僕を驚かせたんだ。
 大人になった今なら申し入れを断って謝罪を受け入れただろう。だが16歳の僕はその時、いい考えだなと思ったんだ。同意して彼の胸を殴り、少し痛めつけた。
 するとその瞬間、自分が最悪の人間になった気がした。僕の方がいじめ側に立ってしまったんだ。いきなり僕は小学2年のときの彼になった。たった1つのパンチで彼は僕より大きな人間になった。僕はすぐさま彼に謝り、彼は謝罪を受け入れて僕たちは別れた。
 そのとき人生のレッスンを学んだように思う。人は成長するということと、復讐がいつもスイートではないということを。



・オレは中学のときにいじめをしていた。オレは最低最悪の人間で、今となっては何でいじめていたのかもわからない。ヤツは変でオレも変だった。友達にな りゃいいのに、いじめ続けていた。 その後、ヤツの弟とオレの弟が仲良くなった。さらにヤツとオレの弟も仲良くなった。やがてヤツは軍に入隊し立派になっ た。イラクに2度行き2度死にかけた。脳に傷を負って記憶喪失となり陸軍から除隊した。ヤツは子供時代のことをほとんど思い出せないが生活に支障はないよ うだ。
 弟と仲がいいのでヤツをしょっちゅう見かけるが、ある日勇気を振り絞って、中学の頃にいじめていたことを謝った。するとヤツはいじめられたことを覚えていないと言う。むしろオレがいつも優しくフレンドリーだったと言った。そのことはさらにオレを最低だと落ち込ませた。

・オレがしょっちゅう喧嘩していた野郎はエリートに成長したさ。そいつは両親が裕福だったから、それ以外の道もなかっただろう。父親の会社の役員をやっていて、若年マネージャーとして働いていた。
 オレの会社はそいつの会社を買収した。オレは査定や監査をするチームにいたが、ヤツのニヤニヤうすら笑いを浮かべるイヤなところはちっとも変わっていな かった。父親の要求でさらに昇進して王様みたいな立場に立つ予定だったが、合併2日後にセクハラや人事部の悪評価が発覚したので休職させた。
 するとヤツは俺のオフィスにやってきて喧嘩を売ってきた。オレより大きく筋肉質だった。ドラッグで興奮状態だったので、オレは出来るだけ冷静な言葉で返 した。するとヤツはバカにされたことに気づき、最後には大声で罵りながらオレと家族への脅し文句を並べた。大勢が立ち止まって見ていた。罵りに効果がない とわかるとヤツはプラスチックの花瓶を俺の頭に打ちつけようとし、それをかわしたオレはやつを動けないように羽交い締めにした。数人の秘書や同僚が大丈夫 かとオフィスに入ってきた。オレが警備を呼ぶように頼むと、その隙にヤツは俺から離れ、警備に電話をかけている秘書を床に押し倒し、振り返って今度はオレ に向かってきた。頭突きでノックアウトしてやった。
 ドラッグ検査をされ、会社からは解雇され、資産のほとんどを会社に戻され、さらに秘書もきっと彼を訴えるだろう。その後二度と彼を見ることはなかった。


・オレのいじめっ子は、後にオレの兄弟になった。彼の父親が俺の母親と結婚したんだ。何年も経ってからの再開で、教会の結婚式で同じタキシードを来て握手をしたが何も言わなかった。
 その後家族同士で仲良くなり、彼がどんな境遇だったのかもよく理解できた。彼の母親は小さいときに亡くなり、ほとんど父親に育てられていた。いじめっ子であった彼の側面を理解し始めて、自分の中でつじつまが合った。
 いじめっ子も人だし、誰かの兄弟なんだ。