高原いちか 「花と夜叉」 | はすののブログ

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辺境の貧しい農村に生まれた李三(りさん)は、
苦労の末に出世し、王都守備隊に栄転となるが、
そこで読み書きもできない田舎者と蔑まれる。

悔しさに歯噛みする李三をかばったのは13歳の公子・智慧(ちえい)だった。

気高く美しい皇子に一目惚れした李三は、
彼を生涯にわたって守る『夜叉神将』となるべく
努力を続け、10年後晴れてその任につく。

だが、そんな矢先、先王殺しの疑いをかけられ幽閉されることになってしまった智慧に李三は・・・・。



デビュー作の「杖と翼」に続き2作目。
1作目と世界観は同じで、時代が少しずれた隣国のお話、やはり主従もの。
そして、どちらも攻めの執着がすごい。

友達に薦められて1作目を読んで、なかなか面白かったので、次が楽しみと思っていたら、
2作目の方ががっつりツボにはまった。

元々智慧に尽くしたいがために『夜叉神将』になった李三だけど、
先代の『夜叉神将』を慕うあまり、決して李三を認めない智慧。
けれど、ワンコの李三はなんとか認めて貰おうと尽くしまくる。

この『夜叉神将』の制度が先ずとてもBL的。
王位継承権を持つ王族の男子12人にそれぞれつく、12神将の名を冠した近侍の武官で、
生涯ただ一人の王族に仕え、その主従の絆が切れるのはどちらかが死んだときだけ。
常に主君と一対として扱われ、妻帯も禁止される・・・・・

この設定だけで、12カップルつくれる!!(笑)

最初は攻めワンコの李三がちょっとギャグチックで、智慧が駄々っ子のツンツンで
テンポよく楽しく読み進めていたんだけど、だんだんときな臭くなり、
宮廷特有のドロドロあり、権謀術数あり。
お話はとてもドラマチックに展開する。

この智慧公子は双子の弟で、兄が国王、そして異国の血をひく美貌の叔父・・・
それぞれにもちろん「夜叉神将」がいて、叔父と神将の関係もちょっと気になる。

1作目で権謀術数に励んだお方が、またまた暗躍したり、
思わぬところで、1作目の「杖と翼の主従カップル」のその後が語られたりして
読者に対するサービスもたっぷり。

先王殺しの冤罪をかけられ、死刑を命じられ、
ラストはどうもっていくのかと心配したけど、これまたドラマチックに大団円。
BLぬきにして、物語として面白かった。

月末に3作目が発売されるんだけど、今度はがらりと雰囲気が変わって「英国貴族」
イラストが私の大好きな高峰顕さんなので、楽しみ。