
鎌倉を舞台に家族の「絆」を描いた限りなく切ない、限りなく優しいシリーズ
だそうで、これなら恋愛物の苦手な私でもいけるかもと買ってみた。
なんたって吉田秋生さんだし。
「河よりも長くゆるやかに」は今も持っている大好きなストーリー。
ただ、ここ最近は読んでいなかった。
うーーーん、「バナナフィッシュ」あたりまでは読んでいたんだけどね。
このストーリーに合わせてか、絵柄が少し幼くなっている。
鎌倉に住む3姉妹のもとに、何年も前に不倫の末、家族を捨てた父親の訃報が届く。
葬式に赴いた3姉妹を迎えに来たのは、異母妹にあたる13歳の妹すずだった。
すずの母は既に亡く、このままだと父が再再婚した義理の母とその連れ子と暮らすことになるが
3姉妹の長女の「鎌倉にこない?」と言う一言から、4姉妹の生活が始まる。
一話読み切りで、描き方としては淡々としているんだけど、そこはさすがの吉田さん。
登場人物のキャラの立ち方が半端ない。
中学生のすずの学校生活を主体に「ダイアリー」が紡がれていくんだけど
片足を失ってしまうサッカー部のエースやダイナミックな漁師の家族、
美味しい食堂やカフェと新しい生活が広がっていく。
長女の勤める病院、次女の勤める地元の信金、3女の勤めるスポーツショップ
大仏や由比ガ浜、長谷寺など名所も織り交ぜて、鎌倉の街で人がリンクしていく。
ダメな大人や、出来すぎの中学生、結構あれこれしょった人たちが
その重さを感じさせず語る。
現在5巻まで出てるんだけど、一気に読めてしまった。
そして、再度、再再度読み返した。
確かにちょっと切なくて、本当に優しいお話。
登場人物がみんないい人すぎる気もするけど、現代のおとぎ話風でいいかも。
6巻出たら買いに行かなくては。