椎崎夕 | はすののブログ

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「優しい檻」
 
「所有物は所有物らしく、潔く諦めるんだな」
ある寒い日、橋本樹は彫刻家・常盤正嗣の工房を訪ねる。
樹が秘書を務める山辺泰之のもとへ常盤をつれていくために。
だが、山辺の愛人として知られる樹への態度は冷たかった。
まっすぐな瞳で樹を好きだと言ってくれたのは
もう遠い過去のことなのだ。
常盤は病床の山辺が自分を後継者に選んだことを知ると、
山辺のものは好きにしていいはずだと無理やり樹の身体を奪い、
そのまま閉じ込めるように樹を工房に留める。
まるで意思のない人形のように扱われながらも、
常盤への気持ちがあの頃から少しも色褪せていないことに
気づいた樹は・・・・!?
 
 
 
 
まんだらけでも、全然値段の落ちない作家さんなので、人気があるんだろうとは思ってた。
ブックオフでも、滅多に105円になっていることはない。
 
たまたま105円で見つけた時に買って、3冊ほどは読んでいたんだけど、
「切ない系」「けな気受け」で、私の大好物のパターンなのに、なぜかイマイチだった。
悪くはないけど、新刊買いするほどでもないかな~と。(なんつー上から目線じゃ)
 
 
 
この作品は、攻め氏の受け氏に対する執着がいい!!
 
 
彫刻家の卵と、学生として知り合った常盤と樹。
常盤に告白された直後、姿を消す樹。
再会した時は、樹は山辺(常盤の師匠)の愛人(?)になっていた。
 
実は、樹は親の借金と入院費の代わりに、山辺のお人形さんでいることを承知していた。
 
樹の全てを支配して、常盤に事情を説明することも許さず
恋愛禁止を言い渡す癖に、実は愛人にしてはいないっていう山辺が
イマイチ分からんが、まあ芸術家の変人だし~。
 
とりあえず、なんの釈明もできない可哀そうな受け氏っていう設定はできるし・・・
 
そんでもって末期がんを言い渡された山辺がいきなり
全財産を常盤に譲るから、常盤を説得して連れて来いって樹を派遣。
 
その辺も分からんが、ま芸術家だし~。
 
訪れた常盤の家で、足を怪我して、軟禁状態になる樹。
 
ジリジリする常盤と、何も釈明できない樹。
このあたりのもどかしさがいいのよー。
 
山辺の容体が急変して軟禁蜜月は終わり、山辺の元に戻った樹。
山辺の密葬を終えて「これからの常盤に自分は邪魔」と消える樹。
王道だ~~!!
 
エッツィシーンは薄味で、朝チュンに近いけど、
最近お布団シーン読みとばしの私にはちょうどいい。
 
最後は、お人形でなく、自分を取り戻した樹のもとへ常盤が訪れる。
はい、これも王道。
 
最初から最後まで山辺っつう人が謎なんだけど、まあ芸術家だし~。
大体今まであったこともない樹を何故いきなり手元に置いたかとか、
自由をすべて奪いながら、手を出さずに飾っているだけだとか、
でも、樹に対する愛情はたっぷりあったようだし・・・・
 
まあ、謎は謎のままでいいか。
 
樹が可愛かったからいいや。
という、お話でした。
 
 
次回新刊買いするかはまだ微妙、もう何冊か読んでから決めよう。
作品は多いみたいだから、ドカーンと嵌まるのがありそうな予感。