
BLファンで知らない人はいない、名作「富士見シリーズ」の作者。
私は時々間違えて「秋月こう」と書いてしまう……
正確には「こお」さん。
実は私、この人の本は「富士見シリーズ」と
「王朝ロマンセシリーズ」しか買ってない。
なぜかというと、とにかく著書が多いのと、
ハマってしまって果てしなく手を伸ばしそうなので
あえて、手を出していないの。
富士見シリーズは、まだ未読本が5冊くらいあるし、
「幸村殿シリーズ」はサイン会で買ったものの
まだ読んでないどころか、そろえてもいない。
でも、この「スサの神謡」は、一話完結みたいだったし、
なにより稲荷家さんのイラストにひかれて、衝動買い。
なんというか……
やっぱり作家のスケールが、BLの枠飛び越えてる。
地上に降臨した須佐之男命と神の巫イワレヒコが
ヤマトの国の侵略に抗う、神話ファンタジー。
天照大神、須佐之男命、月読之尊といった神様も
出てくるんだけど、この天照大神は、ちょっと狭量な女性神で、
ヤマトの国に加担して、須佐とイワレヒコの恋路を邪魔する。
邪魔といってもなんせ神様だから、スケールはでっかい。
どうなる事かと思ったけど、そこはファンタジー
すっごーーーーくきれいに大団円。
ラストのシーンのテンポはものすごく良いというか、
少々端折り気味で、もうちょっと書き込んでもらいたかった…
(特に意地悪巫女の最後のくだりとか…)
まあ、それでもページ数いっぱいいっぱいだったんだろうな。
稲荷家さんの華麗なイラストが、これまた素晴らしい。
さすがに秋月さんレベルだと、濡れ場なんかどうでもいい!!
物語として、とっても面白い。
結構厚い本なんだけど、読んだ後にもっと読みたかった~
と、思える、数少ない本だった。