一枚目は「木立朝鮮朝顔」または「ダチュラ」という花なんだけど、
「エンゼル(エンジェル)トランペット」と呼ばれる方が多い。
と、いってもこの3枚とも同じ「朝鮮朝顔」。
名前の由来は見ての通り、可愛らしいトランペットの形なんだけど、
口にするとそのまま、エンゼルのいるところ(天国)に行くからという説もある。
作業中は手袋着用のこと、と注意書きがあるほどの毒。
まあ、ジギタリスやトリカブトの例でもあるように、
少量を鎮痛剤として用いてたことも…
2枚目の白い「アメリカ朝鮮朝顔」は、上向きに咲く種類。
別名「きちがいなす」
アルカロイド系だから、言語障害、妄想などがおこって
「きちがい」の呼び名がついたみたい。
日本名は 曼陀羅華(マンダラゲ) いかにもでしょ?
これをその昔、華岡青洲が麻酔薬として使ってた。
青洲の妻と母が、夫のため、息子のためとにと、争うように
人体実験を申し出て、麻酔薬を試し、妻は副作用で失明、母は異常なし。
麻酔薬の完成は、壮絶な嫁姑争いのおかげともいえる。
ちなみに青洲は、この朝鮮朝顔と、何種類かの植物をブレンドして作った
麻酔薬を 通仙散 と名づけた。
これを用いて、初めて施術したのが 乳がん手術 だったというエピソードがある。
ちよっと豆知識ね。
ちなみに母には量を少なくしたということで、「マザコン説」もある青洲だった。
3枚目は、上に向かって咲く八重咲きの朝鮮朝顔。
これら「朝鮮朝顔」は、根、花、茎、葉、実 … 要するにすべてに毒がある。
死に至るほど大量摂取した例は、あまりないものの、食中毒は割とおこってる。
食べないにしても、汁が目に入れば、最悪失明もあるので注意が必要なんだけど……
育てやすいせいか、あちこちでいっぱい見かける花でもある。
そろそろ東京では、花も終わるころかな。
でも、一年を通じて毒を持ってるので、うっかり折って汁でもついたらやばいから
くれぐれも素手で触ったりしないように。
私たちが子供のころには、おままごとなんかも外でやったので
毒草、毒虫、毒蛇の知識は、かなり小さい頃に大人たちに教えられた。
なんといっても、最終的には自己責任。
なんでもかんでも責任転嫁したところで、なんの解決にもならない。
自分の身を最後まで守れるのは、結局自分だけだからね。