怖くて悲しい事件 | はすののブログ

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四葉のクローバーが群生。
五つ葉やハート型もあった。




第一発見者は甥っ子

実家の傍に小さな川がある。
そこへ中学一年生の甥っ子が釣りに行った、ちょうど道路からは死角になるような場所らしい。
するとなにやら、うつぶせになった人? 案山子? のようなものがあった。


田舎では、「案山子祭り」というのがあり、
人間そっくりにさまざまなポーズをした案山子が、多数ある。


早速、家人に報告、おばあちゃん(私の母)と二人で見に行ったものの
「大きな案山子捨てて、困ったもんだねー。」
という母の言葉で、「やっぱり案山子」認定。


岸から3メートルほど距離がある上に、足場もなく、
川に下りていくことはできないので、上から眺めただけらしい。


水深は15センチくらいで、川幅は2メートル程度。
ちょうどその場所はカーブしている上に、ちいさな堰を設けてあって
色んなものが引っかかるので、特に珍しい光景でもない。


甥っ子は、一度は納得したものの、それでもなにか気味が悪くて
いつも子供たちの話を聴いてくれる、近所のおじさんにも言ってみた。

ところが運悪く、おじさん超多忙な日で、
また「案山子みたいなものが……」と甥っ子が言ったので
「そうか、川にごみを捨てたらいかんねー!」で終了。



まだ寒い時期だということもあって、わざわざ川に行く人もおらず
そのまま4日が経過した夜、甥父(私の弟)から、夕飯の支度中の甥母に電話があった。


「○○のばあちゃんがいないらしい。消防団で探しに行くことになったんで遅くなる。」


この○○のばあちゃんは、重度の認知症で徘徊癖がある。
川上の借家にたった一人で住んでいた。
そのおばあちゃんが行方不明になったとのことだった。


甥母は、暗くなるから気をつけてねと電話を切ろうとして、
ふと案山子を思い出した時、傍で聞いていた甥が

「あの案山子、靴まで履いてたんで」
「!!!!!!!!!!!!!!」


消防団直行、3分後に○○のおばあちゃん発見! 
と、なったらしい。


田舎では、高齢化、過疎化が進み、実はこういう例はいくつかある。
母も、知り合い宅を尋ねた折、家人が風呂場で亡くなっていたのを発見したことがある。
死は、身近なものとして捕らえられている。


ただ、悲しいのは、同じ町内におばあちゃんの娘や息子が住んでいるのに
遺体の確認どころか、引き取りも拒否したこと。

重度の認知症で徘徊癖となると、自宅で介護するのは難しい。
数年前は、近所の洗濯物に火をつけて回ったお年寄りがいたし、
多くのケースでは、共倒れになってしまう。

かといって、たった一人で住まわせるのは問題外だとは思うのだけど……
当事者でない以上、その苦悩は分からない。
ただ、仏様になってまで、面倒見ないというのは、あんまりだと思う。


田舎では、知り合いばかりなので、この上プライバシーが駄々漏れになるのは嫌だと、
ホームヘルパーを受け付けない家庭も多い。

もちろんどの自治体でも同じだけど、入所できる施設は圧倒的に少ない。


なるべく迷惑をかけずに、寝たきりや認知症になることなく、ポックリ逝きたい。
そう思ってみたところで、自分で決められることではない。


久しぶりに田舎で、老いと死を身近に感じた。

せめて、自分の怠慢で周りに迷惑かけないよう、
できる努力は、最大限にやらなければね。