【英田サキ】 「~言う気はない」 | はすののブログ

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「さよならを言う気はない」「愛してるという気はない」


究極のツンデレ

元刑事で、今はしがない探偵(攻)の陣内
美形だけど、凶暴なやくざ(受)の天海

このカップリングだけでも「英田さんの十八番」

刑事時代に、少年だった天海と出会って以来の、腐れ縁。
一見、奔放な天海が、お人よしの陣内を振り回しているように見えるけど、
実は陣内に心底ほれている天海の、一途なまでのラブストーリー?

ちょっとコメディを加味してるけど、根底は切なくてひたすら一途。

1巻でなんとかまとまったお二人。
実は1巻のときは、「いい話や~」くらいだったんだけど、2巻で完全に持ってかれてしまった。
「愛してるという気はない」は、私にとってのベスト英田作品。

とんでもないお邪魔虫は現れるは、
天海の過去と真正面から向き合うことになるは、身内も絡んで、グッチャグチャ。
おまけに、陣内がとってもまっとうすぎて、更に天海を追い詰める。

もう天海は、とんでもなく可哀相。
自分を追い詰めて、自暴自棄の行動に走って、更に自分を追い詰めるあたり
英田さん鬼畜~、でもうまい、凄い!! 

そして、私が持ってかれたのはラスト。

なにがあっても、傷つけるのが陣内自身だとしても
離れられないと覚悟を決めた天海。
部屋に戻った陣内を、頭まで布団を被って待っていた、拗ねた猫のような天海。

ここからの数ページは、何回読み返したことか ……

決して揺らぐことのない、陣内の度量の大きさというか、信念に
結局自分を変えていくしかない天海の、超高飛車なのに、切ない告白。

イラストの、「フェンス越しに背を向けながら、手を繋いでいるシーン」は心情そのもの。

Yちゃんが「1巻と2巻で別人だ~」と言ったほどタッチは違ってるんだけど
1年半の間に北畠さんのタッチが変わったんだね。
でもそれも気にならないほど、イラストはストーリーに合ってるし、
大人の男たちのお話を書かせると、やっぱ英田さんは凄い。

またこの作家さんの、底力を見せてもらった気がした。

ストーリーとしては、とってもまとまって
確かにここで完結するのが一番収まりがいい。

でもね、とにかく天海の台詞が、いちいち良くて、
それを受ける陣内の言動も、これまた拍車をかけて良い。
ということで、この二人の日常、掛け合い、コメディ風味をもっと読みたい。

今は同人活動ちょっとお休み中の英田さんだけど、
これの番外書いてくれないかな~。