
ボーイズラブ作品というよりも、ヒューマンラブ作品
1巻より
父さんの名前はアルト。愛してた母さん(メロディ)をなくしてしまってから突然、
ゲイバー゛ワルツ゛を始めました。
そのお店には、ぼく=ルーレと弟のチェロ、そしてお店の歌姫(?)マクシマも一緒に暮らしています。
おかげで父さんも少しずつ元気をとりもどしはじめている様です……
とっても優しいメルヘン。
1990~1993年にかけて白泉社から発刊。
男性同士のカップルも、男女のカップルもいる。
ゲイバーが舞台といっても、これはもうBLの枠を大きく超えた人間愛のお話。
こんにちは(あいさつ)、ありがとう(感謝)、愛してる(愛情)の三拍子のワルツを
しっかり心で刻めるとき、人は幸せな想いで満たされるのだと作中で繰り返される。
BLという言葉も無い時期に、あえて同性愛 も 織り込むことによって
愛ってゆうのは境界も制約も際限もなく、ただ自然に湧き上がり、
そして伝播していくものなんじゃないかな~~
と、ちょっとこっぱずかしくなるような想いを、実に押し付けがましくなく、
むしろ淡々と語りかけてくれる。
「花とゆめ」に毎号8ページほどずつ連載された作品なので、
一話のエピソードとしては短いけれど、メッセージは溢れるほど。
我が家でこの話を読んだ友達(BL知らない普通の友)がエラく感動して、
自分も買っただけでなく、その当時結婚した友人何組かにプレゼントしたらしい。
ちょっと癒されたいときなんかに、時々引っ張り出しては読み返す。
何話か読むうちに、そのときの気持ちを癒してくれるのにピッタリのエピソードに
出会ったりするとすっかり気分が浮上してくる。
私の永久保存版メルヘン。
ただ、この作品今は非常に入手が困難。
高野まさこさんは今は全く描いていない。
なんたって古い作品だから、ものがないうえに状態は良くない。
でも、もしもどこかで目にしたら、是非読んでみて欲しい。
私の一押しメルヘン。
他にも、天使「シホン」のいたずらなキスで命を持ってしまった
お砂糖でできた女の子「シュガー」。
優しい夫婦のもとで幸せに暮らすのだけど、お砂糖だから涙を流すと溶けてしまう。
そこで神様の命によりシホンは、犬の「ホットドッグ」に変身して
「シュガー」を悲しみの涙から守る「シュガーベイビー(全9巻)」がある。
この作品は人気があるのか、500円以上のプレミアがついている古本屋さんもある。
ブックオフなんかでは100円売りしていることも多いので、見つかればラッキー。
この「シュガーベイビー」も可愛くて優しくて愛すべき子供も大人も天使もでてきて
やっぱりとてもとてもいい作品。
高野まさこさん、いったい今はどこで何をしていらっしゃるのでしょうか……
なんでもいいからまた描いて欲しいな~。