「陵辱と純情にゆれる獣」「渇望の部屋」で、いいところをかすりながらもなぜか
「ドッカーン!!」と来るものがなく、新刊買い作家さんからは外れていた秀さん。
「黒い愛情」 で、やっと キターーーッって感じ。
いわゆる「調教もの」なんだけど、
「性」に対してトラウマがあり、臆病で自分を縛り付けているような、精神科医の受氏
年下、微S、一見クールな眼鏡でやはりトラウマもちの同僚、攻め氏
攻め氏が受氏を苛めているようだけど、お互いがお互いをカウンセリングしているような…
…… 一服盛られて逃げ出し、攻め氏に助けを求めた受氏と
慌てて駆けつけて、路地に蹲る受氏を抱きしめる攻め氏 ……
このシーンで「ドカーン!!」ときた。
奈良さんのイラストで凄みと深みが加わっているせいもあるけどね。
それにしても奈良さんのイラストは、不思議。
横顔が「花王のマーク」に見えようが、高校生キャラが妙に怖かろうが
やたらとオドロオドロしかろうが、全てが魅力的。
思うに、私は「ラヴァーズ文庫」がどうも好みにあうみたぃ。
普段は読まない、あるいは読みとばす作家さんでも「ラヴァーズ」だと面白い!!
という作家さんが何人かいる。
対象年齢が高めで、よりハードというコンセプトのせいもあるんだろうけど
このレーベル全体がちょっと温度低めの話が多くて、それが妙に心地良いせいかなあ。
この「黒い愛情」特にラストシーンがいい!!
きっちりと救われて、なんだか穏やかで優しい気分になれる。
秀さんの本は殆ど読んでいるんだけど、保存作品はまだ3冊しかない。
でもどの作品も面白くないわけじゃあないの、お話もしっかりしてるし、
エロも色々やってるし、結構濃い、ただ、私の好みの問題。
一言で言って「萌えない」のよねー、なぜかわかんないけど。
でもこういう作品なら、これからはもう少し保存本が増えるかな。