【夜光花】 小説 | はすののブログ

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夜光 花★★★★★


友人のお勧めで「月を抱いた」を読んでから、ずっと新刊買いしている。

殆どが、ミステリー仕立てで、サスペンスドラマばかり。

おまけに暗い。

死体はゴロゴロでてくるし、ヘビーな過去を背負ってる人間ばかりだし、

なにより、登場人物がネガティブ志向。


でもね、なんだか癖になるの。

そのネガティブさに思わずかまってしまいたくなる。

それにしても、2時間サスペンスみたいなのは愁堂さんがお得意だけど、

夜光さんの場合は、それにおどろおどろしさがプラス。

とにかく「死」やら「事件」やらと無縁の作品は殆どない。


最新作「夜を閉じ込めた館」はその中でも猟奇風味をプラス。



雪に閉じ込められた館で次々に起こる連続殺人……

誰が誰を殺したのか、過去の殺人事件の真相が徐々に暴かれていく。

とまあ、横溝作品のような展開で、BL小説としてはなかなかに重い。


今回は「ドールハウス」をとても効果的に使っているのと、

「血の通っていないジョージ」の描写が上手かった。

夜花節は相変わらず絶好調のようだ。


この作品イラストが小山宗佑さんという20代の男性。

BLのイラストは初めてというがなかなかきれいな色使いで、耽美タッチ。

ただ、文中のイラストは、「少々体形変じゃない?」と思えるものもあったが、

独特のタッチは「ネガティブで淫靡」な文章とマッチしている。

これからも描くらしいので、BLに耐性ができて練れてくるのがとっても楽しみ。



それにしても夜光さんは、設定が上手い。

主人公だけではなく、周囲の人間のバックボーンがしっかりしているから、

「殺人」という非日常が成立する。

もちろん少々理由付けが弱かったり、「ありえなーい!」ということもままあるけど、

「ま、細かいところはいいか」と思えてしまう。



コメディタッチの作品は、同人誌であるにはあるけど、これが全然面白くない。

この人の作品はやっぱり、ネガティブで淫靡!!

夜光作品は、BL小説にサスペンスジャンルを確立したといえる。

これからもペンネームのイメージそのまんまの作品を書いてほしい。