「旦那様シリーズ」が一番有名だけど、この方は時々ぶっ飛んだものを書いてくれる。
代表作は私の一押し作品「石黒和臣氏」シリーズ。
「愛すべき犬」とはどういう存在か・・・その世界観をしっかり書いてくれた。
もともと小説の中に色んな概念や世界観を出すのが上手い人だとは思う。
ただ、その作品群の方向性は多岐にわたり、とんでもなくつまらないものもあったりする。
今回の「ピジョンブラッド」はBLの王道からすると
カナーーーーリ外れているけれど、私は好みです。
「両性具有」「多淫症」「自己覚醒」「乱交」「近親相姦」とさまざまな要素てんこ盛り。
しかも「受ちゃん」のような方を「宝石」と呼ぶ。
この「宝石」ってのは面白いので色んな宝石シリーズやって欲しい気がしたんだけど、
この作品の結びを読む限り、続編などの予定はなさそう。
「両性具有」といえばやはり思い出すのは女王「山藍紫姫子」。
女王の筆に比べると食い足りない感はあるが、このページ数では限界かな。
石黒氏のようにシリーズ化するともっと面白みが出てくるかもしれないが、
これを突き詰めていくと「自己完結」と「幸せな崩壊」しか待っていないような気がして怖い。
エロはかなりハードでイラストも濃い。
これを書かせてくれた「シャレード」さんは偉い。
というか「シャレード」って時々傾向の違った物出してくれて楽しい。
普通のBLではない物を読みたくなったときにお勧めです。