「実質植民地を逃れた国は世界でたった1か国?!」 | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

「実質植民地を逃れた国は世界でたった1か国?!」

ベトナムに行く機会があり、簡単にベトナムを勉強した。
すると近代以降のベトナムは戦争の歴史。侵略に対抗する歴史を知ることになる。

19世紀のフランス植民地以降、日本の力と太平洋戦争をうまく利用して1945年独立。
しかし、翌年にはカンボジアとの戦争が始まり、1965年には米国とのベトナム戦争、1979年には中国との中越戦争でいずれも敵国を退けている。米国以外は隣国との争い。
日本はその点恵まれているなあー。やはり島国である点が侵略機会があまり無い地理的有利さがあるのかなー?なんて考えながら、ふと、19世紀に植民地化を逃れた国はどこか気になった。
以下のサイトの情報が正しいのか定かではないが、実質植民地を逃れた国はタイのみ!!
<http://www.all-nationz.com/archives/1002583835.html>

上記サイトの地図上では約10か国が植民地を逃れているとされているが、更に読み進めると、下記は植民地を逃れた10か国だそうだが、実質は支配下になっており、実質支配を逃れたのはタイのみだというから驚き。

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中国: 18世紀のインドのようにヨーロッパ列強の間で分割されていた。
モンゴル: 50年間、ロシアの衛星国だった。
リベリア: 解放奴隷帰還のためにアメリカがイギリスから購入した実質植民地。
アフガニスタン: イギリスの保護国であり、ロシアとの緩衝国家だった。
日本: 太平洋戦争後、アメリカの支配下となっている。
韓国: 日本と同じようにアメリカの影響下で米軍基地などを配備。
イラン: 第二次大戦中にイギリスとソ連に侵攻されたし、イランイスラーム革命で実質独立。
サウジアラビア: 国有化するまで油田を欧米資本に握られていた。

というわけで、列強の影響下や侵略、経済的な支配、アメリカの緩い帝国主義などの要素を除外すると実質的に植民地から逃れられたのはタイ王国だけ。
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そうなると、なぜタイだけ支配を逃れたか気になる。笑

調べると、以下が正しいようだ。
タイの右(東)側はインド、つまりフランス領
タイの左(西)側はビルマ、つまりイギリス領

よって、イギリスとフランスの緩衝帯として生きながらえたのだ。
緩衝帯国家は実は世界中に多い。冷戦時のソ連とヨーロッパの緩衝帯東ヨーロッパの多くがそうだし、北朝鮮も中国と韓国の間の緩衝帯国家と言われる。古くは中国の秦が統一する前の春秋戦国時代などでも見られる。
ではタイは植民地化は逃れたとして、その後の第二次世界大戦はどうしたのだろう?
あまり知られていないが、タイは日本の同盟国(枢軸国)として戦っていたにも関わらず、タイ国内で米国に同調する勢力がいたため、敗戦後も難を逃れている。
「二重外交により、1945年、タイは1940年以降に獲得した領地を返還することでイギリスとアメリカとの間で講和することが出来、降伏や占領を免れた。こうした経緯もあって国際連合にも1946年12月16日という早い段階で加盟しており、いわゆる敵国条項の対象ともされていない。」wikipediaより
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E7%8E%8B%E5%9B%BD>

こう見ると、タイの巧妙な外交手法、生きるための知恵が垣間見える。
日本の北方領土や沖縄等も含めた外交交渉に、隣国からの侵略を受けやすい国の外交交渉はとても役に立つと感じた次第。

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