「世界史を学ぶ」 | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

「世界史を学ぶ」

昨今国際情勢不安が日本経済や株価に大きな影響を与えている。

ここまで世界中が混とんとしたのは私が生まれてから初めてだと感じる。

今までは局所的だった(ベルリンの壁崩壊、イランイラク戦争、リーマンショックなど)が、今は世界中で一斉に問題が噴出している。

EUはギリシャ危機に始まったが、それだけにとどまらず大きな不安を抱える国や金融機関が複数存在するようだ。今まで絶好調であったドイツも、好調の1つの原因の中国減速やフォルクスワーゲン問題、更にはドイツ銀行にも不安を抱えるなど成長に陰りが出てきているし、メルケル首相の強いリーダーシップもイスラム難民受け入れで大きくぐらつき始めている。そもそもユーロという統一通貨の存続自体が危ぶまれはじめており、EUの不振が世界経済に与えるマイナスインパクトは非常に大きなものとなっている。

中東はまさに世界の問題の震源地である。イスラムが力をつけ、もはや国として機能していない国が散見されるアナーキー状態。イスラム人が今後猛烈に増え続け、世界最大の宗教人口になることも不安を高めている。イスラムと一つに括っても、スンニ派のサウジアラビアとシーア派のイランでの強い対立など、イスラム同士の勢力争いも予断を許さない。原油国という豊かさからくるパワーも、昨今の極端な原油安で一気に失われている。今後益々混とんとするだろう。

原油安と言えば、資源国の苦しさに拍車がかかっている。BRICSと持て囃されたブラジルとロシアはその最たるものだし、他の資源国も軒並み苦境に陥っている。
成長新興国はどこも減速し一時の勢いはない。特にここまで世界を牽引してきた中国経済の減速が大きい。人口ボーナスが昨年をピークに減少に転じる事も構造的に転換点となっている原因かもしれない。インドも成長こそすれ、世界経済を牽引するほどの力は感じられない。

このような世界中で不安要素しかない中で、米国の減速懸念や北朝鮮やイランの核の問題も起きている。マイナス金利でも日本円が買われる理由はまさしく国際情勢不安を物語っている。もはや国際経済を牽引できるのは、米国、ドイツ、日本の3か国しかない状態だが、その3か国も力強い訳ではない。

これほどまでに国際情勢が混とんとし、日本にも様々な形で影響を及ぼすようになると、世界についても関心を持たざるを得ない。



最近は「世界史」を勉強し始めているがとても面白い。例えば、ギリシャの歴史(西欧とロシアの間で両国間の緩衝体。西欧はあえて共産化を防ぐために産業を作らせなかった。ゆえに財政破たんは元々西欧のせい)とか、中東と一言に言ってもイランはアラビア語を話さない旧ペルシャ帝国であり、他の中東とは全く違うとか。世界地図片手に歴史を読み進めると非常に面白い。

日本は島国ゆえ侵略された歴史が非常に少ないが、陸続きの世界には様々な歴史的背景が存在する。言語や宗教なども密接に関わっている。世界史を勉強することで国際情勢のニュースもより深く理解できるようになれたら楽しい。

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