「インド視察(新経連)」 | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

「インド視察(新経連)」

先週1週間、新経済連盟の「未来の視察」ツアーでインド(デリーとバンガロール)を訪問視察してきた。
三木谷代表理事(楽天)の講演やベンチャー企業のピッチ、ユニコーン企業のプレゼン、インドのスタンフォード大学と言われ、多くのネットベンチャー起業家を輩出するインド工科大学(IIT)との会合、政府高官(IT大臣や事務次官等)との意見交換、政財界要人との会食など、過密スケジュールの中でも、どこでも歓待を受け充実の1週間であった。






個人的感想としては、ITベンチャー界に活気を感じた半面、10年前に中国で感じたような国民全員からの熱気は感じられなかった。政府の賄賂体質やそれに端を発したインフラの遅れに国民は不満を抱いており、大幅に改善されなければ、折角のインドのポテンシャルも具体的経済発展に反映されない可能性もあり、まだ未知数である。

現状、宅配コストが@1000円以上かかっており、EC市場1500億円に対し、赤字1000億円と宅配コスト負けしている状況。日本のインフラや宅配品質の高さを改めて恵まれた環境と実感した。ここが整備されなければEC市場は永遠に立ち上がらないかもしれない。

そんな中でも足元のIT業界は活況だ。
バブルという声もあるが、IIT卒業生を中心に次々ベンチャーが立ち上がり、そこに巨額の金が投資されている事を目の当たりにした。ユニコーン企業もすでに5、6社あり日本を上回る。
http://vdata.nikkei.com/prj2/ni2015-globalunicorn/



一方、ベンチャーのピッチを何社も聞いたが、目から鱗の驚くようなビジネスモデルは無かった。どのモデルもシリコンバレー発の模倣であり、目新しさは感じなかったのは残念ではあるが、ある意味当然でもある。

さて、国という観点から考えると、米国、中国に次ぎインドが第3のIT大国になるだろう。
ほんの10年前まではITと言えば米国シリコンバレーがダントツ。
世界の時価総額ランキングでも米国IT企業がほぼ全てであった。

それがここ数年でアリババを筆頭に中国が台頭。あっという間に日本を抜き去った。
そして、今後インドも日本を抜いていくだろう。

圧倒的多数の人口を背景にした成長期待市場。
英語を中心に世界につながるネットワーク。
IITの存在も大きい。
シリコンバレー企業の多くがバンガロールに進出し、人材獲得と事業開発を行っている。

やはり日本語圏は英語圏、中国圏の1/10の市場。
集まる資金量も売上や利益額も10倍の開きが生じる。
このような中で、日本がどう世界と伍していくのか、考えさせられる機会であった。


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