「大手小売店はECから避けて通れるか?」 | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

「大手小売店はECから避けて通れるか?」

流通小売大手の店舗閉鎖が相次いでいる。
米国では数年前に大手書店のボーダーズや大手家電チェーンのサーキットシティ、ビデオレンタル大手のブロックバスターなどが破たんしており、いずれ日本でも同様の事が起きるのは予想されており、私も以前動画で指摘している。
「今後起きる4つのネット革命(2013年1月)」
動画のURL: http://youtu.be/pFzMxaT3Xic

それよりも、この状況になってなお、ある大手小売企業トップが「いずれECは無くなる」との発言を聞いて愕然とした。

現在、日本のEC化率はわずかに4.3%でしかない(米国は6.4%)(*1)。しかし、今後確実にEC化が進展するのは間違いない。私は近い将来、EC化率が25%にまで達してもおかしくないと思っている。IOTの時代になり、いつでもどこでもネットにアクセスできる環境は益々進展し、様々な便利なサービスもでき、若いデジタル世代人口が年齢をとり主流になるのだから。
(*1)「平成26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より


つまり、小売店市場の1/4がECに取って代わられる最悪の事態を念頭に手を打つべきであると思う。
小売店の最近までの打ち手は、店舗拡大、店舗面積拡大によるリアル店舗売上維持であるが、これは店舗効率を着実に下げており、本質的解決になっていないばかりか、破たんへの道を歩んでいる。





流通小売企業にECの提案をすると、
「ECは儲からないんだよねー」
「既存店舗が反発するしねー」
などよく耳にするが、これで諦めていたら、いずれ会社自体が倒れる事になると腹を括り、真剣にECに取り組むべきである。

私の先輩はかつて大手家電量販店を経営していたが、今はネット通販大手を経営している。「店舗商材毎にショールーム1店舗しか出さず、後は全てネットで展開する」と徹底している。人口減少や少子高齢化が進む一方で、EC市場は拡大するのであるから、闇雲に店舗拡大することは大きなリスクを背負い込むことになりかねない。

大手小売店の取るべき打ち手は2つ。
①ECに本気で取り組む(マーケティング予算のデジタルシフト)
②ネットから店舗に集客する(オムニチャネル)


米英大手小売店でもネットへの対応の早い企業、遅い企業で差が出てきている。早い企業はネット企業をどんどん買収している。日本ではまだ聞かないが、このような打ち手をすべき時がすぐに来るだろう。



ネット広告普及時も「うちはTV広告やっているからネット広告なんて必要ないよ」「うちは大手広告代理店と付き合っているから大丈夫」と、多くの企業に断られたが、先行してネット広告を実施した企業からどんどん成功していった。ECでも同じことが必ず繰り返される。オプトグループは本気でEC化、デジタルシフト化、オムニチャネル化に取り組む企業を支援し、成功に導きたい。

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