成熟国家での消費とマーケティング | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

成熟国家での消費とマーケティング

1945年の終戦から1990年までの高度経済成長期はモノ不足から、欲しいモノだらけで、「良い生活=モノが充足している生活」という考えだったように思う。

カラーTV、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、クーラー、車など生活必需品を揃えていく時代。マーケティング的にも生産者主役でいかに効率的に大衆に新製品告知を行なうかという1対多のマスマーケティングが最たる効果的手法であった時代。

国民の所得向上と共に生活必需品は各家庭に普及し、90年のバブルをピークとして、ほぼ全ての家庭に生活必需品は行き渡り、マス広告市場も横ばいないしは減少に転じる。これは先進諸国全てに共通する現象。

変わってのニーズは嗜好品になる。人とは違うモノ、自分の趣味嗜好に合うモノを欲する時代。従って個人各々の趣味嗜好、行動、購買データに基づいたワントゥワンマーケティング、データベースマーケティングが伸びる時代になってきている訳だ。そこにPC、インターネット、クラウドなどの技術が登場し、マーケター一人一人が机上にて安価にDBマーケティングを実行できる環境が整って来ている。所謂「ビッグデータ」時代の到来である。今後はビッグデータを基にしたマーケティングが大きな潮流になるであろう。

あるいは、人間の欲するモノは「物」ではなく、旅行などの「経験」や仲間、友人、ボランティアなど「コミュニティ」など違う価値観に向うのだろうか。

日本に生活する限り、もはや給与所得が右肩上がりで増えていくのは不可能。むしろサラリーマンの平均年収はここ10数年右肩下がり。

$オプトCEO鉢嶺登オフィシャルブログ-サラリーマンの平均年収

となれば、10年近く前に森永卓郎氏のベストセラー著書にあった「年収300万で豊かに暮らす」の世界が現実になるのかもしれない。

年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!
所得が増えないのだから、支出を減らそうという考えだ。田舎に生活すれば見栄をはる必要もないので良い車、良い服、良い家などにこだわる必要がない。日々自給自足と物々交換で食糧調達。よって年収300万もあれば十分幸せな生活ができるというもの。



なんか夢がなく、私自身はそうなりたいと思わないが、日本国は縮小均衡に進んでいるので結構現実的になってきている気がする。慎ましく質素倹約で生活する幸せに向うのか、積極的に自己投資し海外に出ていき所得を増やすのか、2極化するのだろうか?