消費者主役時代の広告代理店の姿(下) | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

消費者主役時代の広告代理店の姿(下)

さて、このように生産者から消費者へパワーシフトが起きたことで、
広告代理店の役割も大きく変わらねばならない。

従来の広告代理店の役割は生産者の側に付き、
「いかにすれば消費者に情報を効率的かつ効果的に伝達できるか」
を考える役割であった。

メディアバイイングも、クリエイティブも
そのためのものであった。
つまりは 生産者の販売支援が主な役割 であったわけだ。

ところが、消費者の嗜好が多様化すると、
大衆向けマス広告では無駄が増え効率が落ちてくる。
しかも、CM飛ばしや、ながら視聴が一般化する昨今では尚更である。

今の消費者はネット上で、消費者の口コミを参考にする。
掲示板や比較サイト、ソーシャルメディアでの評判や口コミによって行動を決める。
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以前のようにマスメディアや企業側からの限られた情報だけに頼る人は
徐々に減り、実際に体験した消費者の口コミ情報を元に判断するのである。
その方が信頼できるという訳だ。

従って、広告代理店の役割も 
かつてのような生産者の販売支援というポジション
から、
消費者の購買支援
という領域へ軸足を移していく
必要がある。


かつて、米国に消費者に家電品の最安値情報等を送るサービスで
一世風靡した会社があった。
年会費6000円を約300万人から頂戴し購買支援するサービスである。
CUCインターナショナルというその会社は
1996年の野村総研レポートで私は存在を知った。

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残念ながら、高収益企業であったCUC社は
その後コングロマリット化に走り、
大手レンタカーやホテルなどを買収し、
最後は粉飾決算で今はどうなっているか不明である。

ちなみに、
当時この「購買支援モデル」を追求しはじめたのが、
カカクコムの元社長穐田さんと、
オールアバウト社長の江幡さんである。

穐田さんは食べログやクックパッドを見出し、
江幡さんは専門家によるレコメンドにより消費者購買を支援するというモデルで
オールアバウトを上場にまで持っていく。

まだ究極の購買支援企業は現れていないが、
ソーシャル時代の究極のマーケティング会社像とは
購買支援会社
なのではなかろうか。

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