オプトの歴史と逸話② ~エジプトで起業決意 (2010.11.21)
~①はこちら~
森ビル入社3年目。
3年で起業するという予定通り、独立に向けて動き始めました。
当時25歳。
あと10年森ビルに勤め続けるのと、起業するのと、
どちらが
「経験、ノウハウ、人脈、資産の4つ」
が築けるか比較してみました。
確かに資産については失敗したら大きなマイナス。
しかし経験、ノウハウ、人脈は起業した方が勝ると判断しました。
そうであれば、結婚もしていない、住宅ローンもない、
つまり失うものがない今の方が思いっきり挑戦できると判断しました。
起業する時期はいつでもやりたい時、が良いと思いますが、
当時の私は、
失うモノが何もない20代か、
一つの業界でノウハウや人脈を築き、その業界で起業する40代か、
どちらかだと思っていました。
上記理由と、そもそも10数年も待っていられないというはやる気持ちから
20代の起業
を選びました。
ちなみに20代起業のメリットは、先輩経営者に色々教えを請うことができることです。
年齢が上がるほどなかなか教えてもらいづらくなりますから。
さて、しかしいざ起業の準備に入り、色々と調べていくと怖くなってきたのです。
起業して1年で半分の会社がなくなる。
10年残っている会社は1割にも満たない。
こんな現実の数字を見て、すっかりおじけづきました。
独立しても9割以上の人が失敗している現実と、目の前の安定した生活。
「それをおしてでも本当に独立したいのか。何のために独立したいのか」。
いちばん大切なことを忘れていたのです。
もんもんとしながら、その夏、偶然エジプト旅行にいきました。
ナイル川を豪華客船に揺られながらの4日間。
観光客は欧米人と日本人ばかり。
船が岸に着くと、地元の人たちが甲板に向かって、
ビニール袋にくるんだTシャツや手製のテーブルクロスを投げてきます。
気にいったのがあれば、あいた袋に千円札を入れて投げ返せばいい。
私もやってみました。
しばらく楽しんでいました。
すると彼らは受け取った千円札をたいそう大事そうに両手に持ち、
太陽にかざして拝むではありませんか。
これでしばらくは暮らせる。
神への感謝の気持。
瞬間はっとしました。
俺はなんで豪華客船に乗れているのだろう。
わずか25歳で、はるかエジプトまで優雅に旅することができるのはなぜだろう。
私の両親も海外旅行など行ったことはないのに。
それは自分の力じゃない。
経済大国という日本にたまたまいるから、
そんな日本を作り上げてくれた先代のお陰であることに
気付きました。
ほんの数十年前には、祖父母や両親は戦後の焼け野原に立って、
食うや食わずの苦しい時代を過ごした。
目の前の川で洗濯をするエジプトと同様に。
そんな中で新しいことに次々挑戦し、今の繁栄を築いてくれた。
一方、我々はと言えば、バブルに浮かれ、大企業に就職したら一丁あがり。
一生安泰なんて、なんたる体たらくだ。
大企業で安定にあぐらをかいて、このままのほほんとしていたら自分だけでなく、
日本がダメになる。
先代が死ぬ思いをして挑戦してくれたからこそ、今我々若者が贅沢に暮らせる。
失敗したって死にゃしない環境を創ってくれたからこそ、
だからこそ、我々若者はもっと挑戦しなきゃ!
そうでないと、次代の日本、我々の子孫の代の日本は衰退してしまう。
それこそ我々若者世代の責任だ。
失敗したっていいじゃないか。
今の日本でそうそう飢え死にすることなんかない。
挑戦しよう。
新しいこと、人のやらないこと、次代の繁栄を創造できることをやっていこう。
次の世代のために、私たちがやれることを。
気持ちはすっかり晴れていました。
もう何も迷いはありませんでした。
「会社の看板をはずしたとたん、だれも振り向かなくなるぞ」
「バブルがはじけた今はないだろう」
公務員の父は猛反対。
同僚も友人も上司も誰一人として賛成してくれませんでした。
しかし、私は思っていました。
色々心配してくれてありがとう。
でもやるって決めたんだ。
~③へつづく~
森ビル入社3年目。
3年で起業するという予定通り、独立に向けて動き始めました。
当時25歳。
あと10年森ビルに勤め続けるのと、起業するのと、
どちらが
「経験、ノウハウ、人脈、資産の4つ」
が築けるか比較してみました。
確かに資産については失敗したら大きなマイナス。
しかし経験、ノウハウ、人脈は起業した方が勝ると判断しました。
そうであれば、結婚もしていない、住宅ローンもない、
つまり失うものがない今の方が思いっきり挑戦できると判断しました。
起業する時期はいつでもやりたい時、が良いと思いますが、
当時の私は、
失うモノが何もない20代か、
一つの業界でノウハウや人脈を築き、その業界で起業する40代か、
どちらかだと思っていました。
上記理由と、そもそも10数年も待っていられないというはやる気持ちから
20代の起業
を選びました。
ちなみに20代起業のメリットは、先輩経営者に色々教えを請うことができることです。
年齢が上がるほどなかなか教えてもらいづらくなりますから。
さて、しかしいざ起業の準備に入り、色々と調べていくと怖くなってきたのです。
起業して1年で半分の会社がなくなる。
10年残っている会社は1割にも満たない。
こんな現実の数字を見て、すっかりおじけづきました。
独立しても9割以上の人が失敗している現実と、目の前の安定した生活。
「それをおしてでも本当に独立したいのか。何のために独立したいのか」。
いちばん大切なことを忘れていたのです。
もんもんとしながら、その夏、偶然エジプト旅行にいきました。
ナイル川を豪華客船に揺られながらの4日間。
観光客は欧米人と日本人ばかり。
船が岸に着くと、地元の人たちが甲板に向かって、
ビニール袋にくるんだTシャツや手製のテーブルクロスを投げてきます。
気にいったのがあれば、あいた袋に千円札を入れて投げ返せばいい。
私もやってみました。
しばらく楽しんでいました。
すると彼らは受け取った千円札をたいそう大事そうに両手に持ち、
太陽にかざして拝むではありませんか。
これでしばらくは暮らせる。
神への感謝の気持。
瞬間はっとしました。
俺はなんで豪華客船に乗れているのだろう。
わずか25歳で、はるかエジプトまで優雅に旅することができるのはなぜだろう。
私の両親も海外旅行など行ったことはないのに。
それは自分の力じゃない。
経済大国という日本にたまたまいるから、
そんな日本を作り上げてくれた先代のお陰であることに
気付きました。
ほんの数十年前には、祖父母や両親は戦後の焼け野原に立って、
食うや食わずの苦しい時代を過ごした。
目の前の川で洗濯をするエジプトと同様に。
そんな中で新しいことに次々挑戦し、今の繁栄を築いてくれた。
一方、我々はと言えば、バブルに浮かれ、大企業に就職したら一丁あがり。
一生安泰なんて、なんたる体たらくだ。
大企業で安定にあぐらをかいて、このままのほほんとしていたら自分だけでなく、
日本がダメになる。
先代が死ぬ思いをして挑戦してくれたからこそ、今我々若者が贅沢に暮らせる。
失敗したって死にゃしない環境を創ってくれたからこそ、
だからこそ、我々若者はもっと挑戦しなきゃ!
そうでないと、次代の日本、我々の子孫の代の日本は衰退してしまう。
それこそ我々若者世代の責任だ。
失敗したっていいじゃないか。
今の日本でそうそう飢え死にすることなんかない。
挑戦しよう。
新しいこと、人のやらないこと、次代の繁栄を創造できることをやっていこう。
次の世代のために、私たちがやれることを。
気持ちはすっかり晴れていました。
もう何も迷いはありませんでした。
「会社の看板をはずしたとたん、だれも振り向かなくなるぞ」
「バブルがはじけた今はないだろう」
公務員の父は猛反対。
同僚も友人も上司も誰一人として賛成してくれませんでした。
しかし、私は思っていました。
色々心配してくれてありがとう。
でもやるって決めたんだ。
~③へつづく~