1億円以上報酬開示について (2010.6.21) | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

1億円以上報酬開示について (2010.6.21)

今朝表題の件で日本経済新聞に私のコメントが掲載されたので、改めて考えを述べたいと思います。

上場企業役員の1億円以上報酬開示という今回の措置は、メリットよりも、
「もらい過ぎ」に対する制約、抑圧ということが狙いと思われます。
しかし、私はデメリットの方が圧倒的に大きいと感じます。

1990年のバブル崩壊後20年間も日本経済は迷走し、低迷し続けてきました。
日本政府が取るべきは米国のように、またかつての日本のように挑戦する人をどんどん歓迎し、
経済を活性化することであって、規制を更に強め、社会主義国家にすることではないと思います。

米国では起業家企業は雇用の87%を産み出し、
GDPの半分近くを産み出しているという統計データがあります(「起業家秘伝」より)。
小泉内閣では徹底した既得権益排除、規制改革によって挑戦する人が増え、経済は上向きました。
しかし、2006年1月のホリエモンショック以降、また元の木阿弥に戻ってしまい、
更に規制強化となっています。
これで本当に日本は活力を持てるのでしょうか?
若者達は将来何を目指したいと思うのでしょうか?
安定した職を目指すようになっても新しいものは生まれません。
挑戦するからこそ新たな価値が創造されるのではないでしょうか?

シンガポールのリークアンユー元国主もこう言っています。
「成功したい、優秀でありたい、人よりうまくやりたい、報酬を増やしたい、大きな賞をとりたい
と願う個々の本能を抑えつけるやり方で、
より良い暮らしなどできるだろうか?
そのような社会主義的考えの国が繁栄しただろか」(「目覚めよ日本」より)

松下幸之助氏もこう言っています。
「他人よりも良い生活をしたいと思うのは人情である。それはごく自然なことである。
一方で、金やモノだけでも人生を豊かにすることはできない。
やはり人間性を高める努力をする。
つまり、人生を幸せに送るには物心両面の幸せが必要である。」
と。

オプトでは、社員の幸せを基本理念にうたっていますが、その中身は
①職業的自律
②精神的自律
③経済的自律

と定義しています。

まさに精神的自律と経済的自律の両立、両方を高めようと日々努力することが
人間の幸せには必要と考えられるのではないでしょうか。