娘が巣立つ朝 | 永い言い訳

永い言い訳

母と娘の二人暮らしから、ステップファミリーへ
悲喜交々、日々の記録です。



伊吹有喜さん

『娘が巣立つ朝』読了




タイトル通り娘が嫁ぐ話かと思ったら

若い二人の結婚と同時に

長年連れ添った夫婦のまさかの顛末も。




離婚経験のある私ですが

結婚しなければ良かったとは

思っていないんです。

娘に出会えて得たものがあまりに

大きかったので。




ただ、結婚した先に期待して夢みた

自分の人生を得ること

そのものが目的であったような

そういう部分は確かにあって

それは大きく間違っていたなと思います。




それでも都度都度、互いに成長して

夫婦になっていくあり方もあったと思いますが

むしろ遠ざかっていくしかありませんでした。

次々と覆されていく日々の連続が

娘におよぶ前に断ち切るための決断。

後悔も反省もあるけど、離婚して良かった。




娘の真奈にもそういうものを感じて

自分の苦い経験を感じたりしましたが

でも結婚に夢見る部分は

多かれ少なかれあるよな〜

ただ、それをこの人と一緒にと

実現しない部分があったとしても

この人さえいれば良いと思えるかどうか。




若い二人の結婚は

家どうしの経済的な格差から来る摩擦で

いったん破綻しかけてしまって

娘が巣立つんじゃなかったの〜あんぐり

もう終盤だけどどう修正するの〜不安




と思いながら読み進めましたが

そこから若くない二人の怒涛の展開。

男の人が知らない間に

女の人は揺るがない覆らない決心を

してたりするんだよな。

巣立つ「娘」はそちらでしたか驚き




結婚、夫婦、家族、お金。




身につまされる言葉が沢山ありました。





施しについて触れるシーンが印象的。

ジゲンセ、ワゲンセ、アイゴセ


だって。





そんな穏やかにいられたらなと思うけど

でもお互い人間だもの、の時もあるし

それでもやっぱりこの人がいい

なんて夫婦になれたら良いな。




★★★★☆