逃げるな新人外科医 | 永い言い訳

永い言い訳

母と娘の二人暮らしから、ステップファミリーへ
悲喜交々、日々の記録です。

読了。



中山祐次郎『逃げるな新人外科医』



今ドラマでやっている

「泣くな研修医」の続編のようです。




ドラマも観てないし

第一作の方も読んでないんですが

母が貸してくれたので読了。




第一作を読んでなくても

特に問題なく読める内容でした。





医療職である私は

医療ものを読んだときに感じる

浅い感じがとても不快で。

ストーリー先行で

医療や病が都合よく描かれている作品は

ヘドが出るくらい軽蔑するのですが




言いすぎ





現役医師が作者である今作は

当然ながらそういった

医療を軽視する感じはありません。





とっさの判断が正しい医師ばかりではない

軽々しく「大丈夫」と言ってしまったり

患者家族に責められたり

後輩の前でオペを失敗して

先輩にクソ怒られたり





死に直面して無力であるときの

医師のやるせない現実や





死に慣れていくことへの葛藤





ドラマに出てくるような

「失敗しないんで」といった天才医師は

出て来ないのがリアルで良いです。





みな経験しながら葛藤しているのだなー

医師が医師になっていく

まさに途中の物語です。




どんな医者が良い医者なのか

ということを考え迷う医者は

それだけで良い医者であるように思いました。





もちろん腕は良い医者であって欲しい。

けれど真摯に患者に向き合うことで

患者さんの人生が救われることも

あるのだなぁー






きっと作者の経験や思いが

たくさん詰まったこのシリーズ。

前作も次作もあるみたいなので

是非読みたいなと思いました。






医療ものの劇的な奇跡は描かれていません。

ストーリーの起伏は地味ですが

とても良い作品だと思います!





★★★★★