『葉桜の季節に君を想うということ』
読了。
いつも行く近くの図書館は
児童図書館なので
大人むけの本はカウンター横に
ほんの少しあるだけ。
こちらも娘と図書館に行って
カウンターに並んでいる時に
なんとなく目についた一冊です。
思わせぶりな伏線が時折あらわれたり
時系列の異なるストーリーが
3つ?くらい同時進行して
主人公もオラオラしたおじさんで
好きになれないし
ヒロイン的な女性も妙に自分勝手で
好きになれないし
前半は読みにくいなぁと思ってましたが
伏線を回収し始めるあたりからは
おーそういうことか!
とサクサク読み進められて
一気に読み終わりました。
すっかり騙されてました!
以下ネタバレですので注意。
騙されポイント。
勝手に30歳前後の男女の
ストーリーだと思わされてましたが
これはシニアのラブストーリー
だったんですよね。
主人公は
オラオラしたおじさんじゃなくて
オラオラしたおじいちゃん
さくらは
自分勝手な若い女性じゃなくて
自分勝手なおばあちゃん
主人公の舎弟の高校生キヨシも
高校に入り直したおじいちゃん
深窓の令嬢、愛子ちゃんも
亡き夫を「おじいさん」と読んでいただけ
未亡人のおばあちゃん
主人公の妹、綾乃も
若々しい言動が生き生きと描かれた
おばあちゃん
映像化されてないわけだ。
今まで頭に描いていた映像が
最後にガラリと覆されて
あーすっかり騙された!
面白かったぁ
という読了感は得られたのですが
結局悪の組織をどう成敗するかや
自分たちの罪にどう落とし前をつけるか
といったところまでは描かれていません。
そう、これは
大どんでん返しを描くための作品であり
ミステリーでも
ラブストーリーでも無いのです。
といったことに思いあたり
これは文学というより
エンターテイメントだと納得しました。
タイトルが文学的で素敵なので
そういう空気感を期待すると
ガッカリすると思いますが
単純にエンターテイメントとして
楽しめる作品でした。
面白いか面白く無いかで言えば面白い。
好きか嫌いかで言えば好きではない。
★★★☆☆