永い言い訳 | 永い言い訳

永い言い訳

母と娘の二人暮らしから、ステップファミリーへ
悲喜交々、日々の記録です。

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読了。


これは良かった。





不慮の事故で妻をなくした作家の話。
よくある「泣ける」展開ではなく



妻をなくして
なんとも思わなかった自分と
対峙していく愚かなる夫の話でした。





でもその愚かさ
他者や人生に対する煩わしさを
私も感じることがあり




そういう自分は自分でも好意的に思えず
あまり認めなくないのだけど




それでもどうでもいいと感じてしまうような
薄情な一面がある。





そんな中どうにかこうにか
関係を築きながら必死で生きてきた
と思ってきたけれど。




離婚という選択肢について
私は自分から過去を切り離したつもりで
いたけれども



ほんとうはずっと
切り離されていたのは私であり
私たちの結婚生活は
それを取り返そうとして
出来なかった6年間であったのだ



とちょうど感じていたので
色々と思うところのある作品となりました。




最後「永い言い訳」をしたためるシーン





『他者のないところに人生なんて存在しない。
人生は他者なんだって。』





他人との関わりに肯定的になる
シーンがあります。





ああ、妻はこんなに自分を愛してた
自分も愛してたことに
遅すぎるかも知れないが気付いたよ
でも君はもう居ないんだ…




みたいなラストじゃないところがいい。




作家・津村啓はあくまで
面倒くさいやつだけれど




齢46にして他者を他者として肯定的に
感じるようになった、というだけの話。





映画になっているから
観てみようと思います。


★★★★★